探偵志望なら、業務の現実を知ってからにするべき
2022年12月3日
調査の相談ではなく、探偵として従業員として働きたいという問い合わせがあります。
しかし、その動機が本来の探偵の業務を知っての事ではない場合が多々ありまして、到底採用する事は出来ないのが現実です。
大手探偵社であれば、小間使いとしてバイト形式で雇う事も可能化もしれませんが、少数精鋭で営業している小規模の探偵事務所ではそういった探偵の現実を知らない人、又は誤解している人を採用するような余力はありません。
困るのは、探偵物のフィクションを真に受けて探偵に憧れて探偵志願をしてこられる方達です。
名探偵コナンだとか、金田一少年の事件簿、探偵物語、探偵はBARにいる等、アニメや漫画、ハードボイルド系のドラマや映画に憧れて探偵になりたいという方は、その時点で探偵の素養は無いといえます。
探偵が推理を尽くして真実を得るという仕事という認識とか、警察が扱う犯罪に関連して事件を解決する存在と誤認しているとか、ハードアクションをするハードボイルドな世界だと思ったとしても、探偵の実情を調べたら、現実はそうではないという事は即座に判明する事であり、自分の思い込んでいた探偵像と違っている事を気付けない時点で探偵の適正はありません。
もちろん、当初は勘違いから始まった探偵業界への入り口だったとしても、その後現実を知り、それでも続けたいという強い意志があれば、探偵を続けられる事は可能だとは思います。
しかし、出だしで勘違いしている方は、過酷な調査現場に身を置かれた時点で去っていくのが大多数なのが現実です。
特に女性の場合、仮に現実の探偵の業務を理解していたとしても、調査中の排便などの問題で業界から去っていく事が多いと言われています。
本来、違法行為である立小便は探偵でなくとも、どこかでした事がある人がほとんどどいえますが、これは男性の場合に限られ、女性には難しい行為といえます。
大便については、男女共に調査中に便意を催したら我慢できる程度ならなんとかなりますが、それが出来ないようなほどの便意だったら調査が台無しになります。
もちろん、オムツを履いてトイレに行かずにオムツ内に排便するという方法もありますが、中々出来る事ではなく、困難な調査現場においてのみ行うような行為です。
トイレ事情ももちろんですが、夏の暑さや冬の寒さ、地べたをはって身を隠しての撮影や、毒虫が居るような藪の中に身を隠す等の過酷な業務が探偵業務の実情です。
華麗な推理によって犯罪者を暴くとか、裏社会の者と派手なアクションで対決し、犯罪者を警察に引き渡すなどというフィクションの世界は現実にはありません。
なので、フィクションを現実と捉えている時点で探偵としての素質は無いといえます。