不倫の問題で絶対に手を出してはいけない理由
2024年03月28日
配偶者に不倫されて、それが明らかに配偶者の自己中心的な振る舞いによるものであったとしても、暴力に訴えると、自分が圧倒的に不利になってしまいますので、絶対に止めるべきです。
過去の案件ですが、何件かこういった部類の受件をしました。
その一例としましては、ある国際結婚の夫婦が、外国人の夫に不満が出てきた為に、日本人の年下の男と不倫の関係になったというものです。
何が不満だったのかは分かりませんが、夫婦にしか分からない部分があったのでしょう。
その不倫相手の年下の日本人の男は、自分の子供のスポーツ少年団のコーチかなんかでした。
それがきっかけで親しくなったようですが、夫である外国人は単身赴任のような形で週末だけ帰ってくる状態であった為に、妻の不倫に気付かなかったようなのです。
しかし、なんらかの理由で、妻の不倫を知ってしまい、夫婦喧嘩になった時に我を忘れて妻を殴ってしまったとのこと。
昔であれば、夫婦間の事で済まされてしまった事かもしれませんが、今ではDV法もありますので、夫婦といえども暴力を振るったら暴行か傷害の刑法に抵触してしまいます。
という事で、民事においては不倫をされた被害者の夫という立場であったものが、刑事においては暴行傷害の加害者となってしまうのです。
この案件では、それほどのケガをしたわけではないので、暴行罪という事になったのでしょうが、起訴まではされず、DV法に抵触するという事で、離婚問題においてとても不利な状況に置かれてしまったようなのです。
さらに、不倫はしていないと民事においても妻は無罪と主張していて、親権やその他もろもろが圧倒的に不利になる状況に追い込まれ、いよいよ探偵に調べてもらおうとなったというのがこの案件の経緯です。
調べてみると、あっという間に肉体関係になっている証拠があがり、子供のスポ少のコーチと親というだけの間柄という証言が嘘と判明し、不倫は間違いないという事になっていきました。
ただ、不倫の証拠が得られたとしても民事においてある程度有利な状態になっただけであり、父親が親権を取れる事はほとんど無理である状況に変わりはなく、せいぜい不倫相手から慰謝料を取る程度しか出来ないのが現実でした。
離婚調停や裁判になったとしても、DVをしてしまったという事実において、心証は良くないので困ったところでした。
しかし、不倫の事実が明らかになった事はとても大事な事であり、依頼してきてくれたのは正解でした。
一つ言える事は、暴力に訴える前に、調査を依頼してほしかったという事です。
手を出してしまうと、民事の被害者から刑事事件の加害者になってしまい、圧倒的に不利な状況になってしまうからです。
男女平等とはいえ、体力に関しては圧倒的に男性が強いのは当たり前ですから、力なき女性を暴力で支配するとなると、法的には絶対に認められない事となります。
その前に法治国家においては、私刑は許されていないという事を念頭におかなければなりません。
なので、不倫をされたからといって、暴力を振るっては絶対にいけないのです。