土地バブルの崩壊時の教訓を頭の片隅に置いておかないと
2024年02月29日
三十年以上前の日本は、土地ころがしから始まったバブル経済で日本は好景気に沸き、狂騒状態でした。
日経平均は当時の最高値となり、異常な好景気で、公共工事は人足が足らず、東南アジアや中東からの出稼ぎをよく見かけました。
しかし、元は土地の転売による所から始まったものであり、転売するたびに土地の値段が上がってはいきましたが、無限に値段を上げるわけにはいかないのは誰もが少し考えれば分かる事です。
そして日本は政策により、バブル状態を正常化する施策を取り、バブル崩壊となったのです。
まだまだ上がると思って買った株価は暴落し、バブル崩壊直前に買った土地等の不動産物件は不良債権と化し、銀行まで破綻する状況になり、多くの企業や個人投資家などが破産に追い込まれたのを記憶しています。
当時はまだ金融機関が金利を付けている状態であり、現在のようなゼロ金利では無かった為、堅実に営業していた法人や個人は、バブルに乗らずに事なきを得たとは思いますが、日本全体の経済が降下していく中、デフレスパイラルに陥り、失われた数十年が始まったのです。
今現在、何らかの異常な経済活動によるバブルが発生しているわけではありませんが、投資の分野においては、前述した前のバブル時代の日経平均最高値を更新し、マーケットは狂騒状態と化す直前の様相となってきました。
貯蓄より投資という政策を声高に言い始め、無税で初めらるNISAという制度を使わせ、これまで投資に関心の無かった層にまで投資をさせようとしているのです。
それによって株価が高騰しているともいえますが、中国経済に衰退による投資家の中国撤退や日本株の割安感を認識した大口の機関投資家等が日本株を買っているのが大きな株価の上昇の原因と言われています。
もちろんそれ以外にも原因はあるのでしょう。
半導体が必須の世の中において、半導体部門の日本企業は今後伸びていくでしょうし、アメリカの半導体企業も絶好調のようで、それにつられて日本の半導体企業も発展していくと思われますので、半導体株も多く買われているのでしょう。
しかし、機関投資家は株価の上昇が一服したら利益確定してしまいます。
それがいつになるかは分かりませんが、これからNISA等で投資を始める人は、大口の投資家が利益確定して株を手放したらどうなるかをよく考えて商品を買わないと大変な事になります。
前述した、数十年前の日本のバブル時代と同じに、最高値の状態の時に投資商品を買ったら、その後下降していく株価において、投資資産は減少してしまいます。
老後の資産を増やそうと投資したら逆に減ってしまったというのでは、大問題です。
日経平均は最高値を更新しました。
ここからどこまで値を上げるかは分かりませんが、老い先短い老人がこれから投資をするのはどうかと思います。
もちろん高齢者の投資家も存在して稼いでいる方が居るのは存じていますが、このような方達は長年の投資の知識が蓄積されているから利益が出せているのです。
そうではない投資の初心者にろくなリスクも伝えずに、リターンばかり強調して投資をさせようとするのはいかがなものかと思います。
人生百年時代と言われていますが、平均寿命は80歳代であり、平均ですからそれより早く亡くなる方も存在しているのは当然の事です。
老後の資産を投資で減らしてしまい、投資をしなければもっと豊かな生活が出来たのにと嘆きながら亡くなっていくのはあまりにも惨めです。
60代以上の方は過去のバブルを味わった年代です。そして前述したようにバブル崩壊後はどうなるかも知っている年代です。
株価が最高値を付けたという事は、それがまだ上昇の経過なのか下降の始まりなのか考えなければならない局面である事を理解しなければいけません。
破産して夜逃げをし、最悪自殺者まで出ていた過去のバブル崩壊の時の教訓を頭の片隅に置いて投資はした方が良いと思います。