障害を持った時にパートナーの本性がわかるが

2024年03月4日

かなり以前の浮気調査の案件の話ですが、交通事故で頭にケガを負い、軽い障害を持ってしまった依頼人様の夫が不倫を始めたという案件です。
不思議な事に、一、二年だったかと記憶していますが、健常者並みの生活が出来なかった奥さんに対して、旦那さんは普通に面倒を見ていたようなのです。
それがリハビリと自然回復により、ほぼほぼ健常者となってきている頃に不倫を始めたとの事。
確かに、体の不自由な状態の妻をほっといて不倫していたというよりは、まだましとも言えますが、せっかく身体が戻ってきて、これからまた以前のように生活が出来るという最中の出来事なので、依頼人様も当方も旦那さんの心理が理解できませんでした。
交通事故の慰謝料は高額だったようで、おそらくは数千万円が奥さんには入ったのでしょう。
さらに環境としては奥さんの母親と同居しており、家は奥さんの母親が建てた家であり、いわゆるマスオさん状態で、家賃や家のローン等は一切かからず、生活は楽であると言われていました。
なのでそれ以外はどんどん貯金が出来ていて、生活は裕福だといえると思われました。
特に無駄遣いをしている事もなく、近場で釣りをする程度の趣味なので、金遣いも可愛いものだといえます。
これだけ見ると、とても真面目な家庭であり、事故後、ケガが回復し、幸せな生活に変わりつつあるという時に、何故に不倫をするのか？
不倫が発覚したのは、まだ仲が良かったころに、ラインのアカウントを共有していた時期があり、それをそのままにしていた旦那のラインの会話を見てしまったのがきっかけだそうです。
職場の少し年上の先輩女性が相手で、ラインの履歴には具体的な不倫の行為については書かれていなかったようですが、会社の飲み会での事や仕事終わりに二人で会う約束等が記されており、明らかに怪しいと感じ、調査をするに至ったのです。
調査をしてみると実に簡単な調査でした。
仕事帰りに、少し寂しい感じの公園の駐車場にお互いの車を並んで停めて、車内で不貞行為をしており、撮影して終了となりました。
しかし、裁判にまで持ち込みたいという理由から何度も不貞行為をしている証拠をつかんでおきたいという依頼人様の要望から、さらに数回の証拠をとりました。
すると、ある日の夜、旦那さんから離婚を切り出され、理由を聞くと、単に夫婦としてやっていけないとか言われたそうです。
なるほど、そうきたかと思った奥さんは、不倫の証拠画像の一つを夫に見せ、これが離婚の原因じゃないの？と突きつけたそうです。
顔面蒼白となった旦那さんは、さすがに冗談だよとは言わなかったそうですが、離婚話は撤回し、その場で不倫相手にラインをし、もう関係は終わりにしようと伝えたそうです。
しかし時すでに遅しですね。
まだ完全に治癒していない障害を持った奥さんに冷たくし、隠れて不倫をしていながら、離婚まで切り出しておいて、不倫がバレたらやっぱり離婚はやめるなんて都合の良い話を許せるはずもなく、奥さんの逆襲撃が始まったのです。
思い起こせば、一番酷い状態の症状の時に、一応は面倒をみてくれていたのだけれど、態度や雰囲気は嫌々やっている感じだったとのこと。
何もしてくれないわけではないので、世話になっているという感情から感謝の気持ちしか持てなかったので、あまり気にしていなかったらしいのです。
確かに介護は大変ですが、互いにまだ三十代という若い年代であり、一生残る障害ではなく回復していくものであれば、嫌な顔を出すのは如何なものかと思いますね。
結局そういう性格なので、隠れて不倫して、さらには離婚しようとしたのでしょう。
奥さんに入った事故の慰謝料は、特有財産ですから、夫婦といえども分与されるものでは無いという事も知らなかったようで、離婚したら慰謝料を払うどころか、奥さんの財産を分けてもらえる等と悪だくみを考えていたようですが、法律を知らない浅知恵だたようです。
逆に不倫による離婚という事で、不倫相手共々高額な慰謝料を払う羽目になったと聞いて、探偵としてはとても嬉しかったです。
民事による加害者への罰は、慰謝料をどれだけ高額にするかですから。
このように、いい時だけいい顔をしていても悪い時に人は本性が出るもんですね。
最初から悪い状態で結婚する人は少ないでしょうから、結婚相手の本性を知ってからの結婚は難しいので困ったものです・・・