物理的に不可能な調査もあります
2023年05月31日
一般の方が無理な調査を探偵なら欲しい情報を得てくる現実を考えれば、探偵なら不可能を可能にしてくれると勘違いされるのかもしれませんが、この世の理に外れた、つまり物理的に不可能な調査は探偵でも無理なのは言うまでもありません。
例えば、人探しにおいて、手掛かりの多さはとても大事です。
手掛かりが多ければ多いほど難易度は低くなり、依頼人様の要望通りの結果が出せるでしょう。
しかし、手掛かりがほとんど無い状態ですと、いかに探偵といえども無理なものは無理となります。
人探しにおいて、名前を知らないというのは致命的な手掛かりの無さですが、写真などの対象者の画像等があれば、まだ望みはあります。
しかし、それすら無いとなるとどうしようもありません。
数年前の勤務先は知っているがそれ以外は何も分からないという状況の人探しがあったとしましょう。
勤務先に聞き込みに行ったとして、名前が分からなければ何も聞く事が出来ません。
さらに写真などの容姿の画像も無いとなると、このような人が勤めていましたか?と聞く事もできません。
となると、人物の特徴などから聞き込みをする事になりますが、誰もが気になる特徴でもあれば別ですが、平均的な特徴の人物であった場合、数年前に退職した人のリストをもらえないかというような調査手法を取る事になります。
しかし、協力的な会社であれば別ですが、昨今において個人情報の取り扱いは厳重になっておりますので、自社の退職者のリストなどを部外者に提供してくれる所はほとんど皆無と言ってもいいでしょう。
それでも謝礼金等を払って、リストを得るという裏技を使う事も出来なくもないですが、調査としては高度になり、リスクも高くなります。
名前も知らず、過去の勤務先だけの手掛かりで人を探したいという調査の動機も疑問ですが、このような難易度の高い調査となりますと、調査料金もそれなりにアップしてしまいます。
どうしても探したいという意思と高額な調査料金を払える予算があれば別ですが、費用対効果を考えれば調査をすべきかどうかは自明の理でしょう。
おそらくですが、探偵なら簡単に数万円程度の調査料金と少ない手掛かりで対象者の所在を判明させられると思っての相談なのだと思います。
しかし前述したように、肝心かなめの氏名が分からず、人物の画像も無いとなるとほとんどの探偵が不可能に近い調査だと言えるでしょう。
こういった現実をきちんと伝えて、調査すべきかどうかの判断を相談者にさせずに、やりましょうやりましょうと調査を引き受けてしまうような探偵は悪徳探偵なのでご注意ください。