１８歳に達している高校生の調査について
2023年06月2日
だいぶ前の依頼の件ですが、ある高校生の女の子が家出同然で成人男性と生活しているので、相手を突き止め、家に帰り、学校にも毎日行くようにしたいという親御さんからの依頼でした。
ここで問題なのは、高校三年生になると、誕生日が早い子だと四月の時点で１８歳に到達しているという事です。
１８歳以上と未満では、条例が関係してきますので、たとえ高校生だとしても、未成年を連れまわしているという事に出来ません。
もしも１８歳に達していないのであれば、各県での条例に差はありますが、一緒にいる男を条例違反で被害届を出す事も可能であり、これが一番の解決策となるのですが、既に１８歳になってしまっているとそうは出来ません。
モラル的に考えれば、まだ社会人ではない高校生を深夜に及ぶまで連れまわしたり、自分の家に宿泊させたりするのはいかがなものかと思いますが、法的に考えると違法とはならないようです。
また、学校に知られると校則違反のような形になり、娘さん自身の評価が落ちたり、停学処分となったりする可能性があるので、学校の先生にも相談できないという事で探偵に相談されたという経緯でした。
進学する予定で色々頑張っていた娘さんだったそうですが、ある音楽イベントに参加し、そこに出演していたバンドのメンバーの一人と交際したのが事の始まりと思われるとのこと。
この相手の男の素性を判明させ、家に毎日帰らせ、遅い時間まで遊んだり外泊をさせる事をやめてほしいと伝える事が依頼人様の要望でした。
この交渉まで探偵に行って欲しいという事でしたが、探偵は依頼人の代理人にはなれませんので、相手男性の素性調査だけの依頼しか出来ませんと伝えました。
一応、警察が介入出来るかどうか確認しましたら、やはり青少年育成条例のような条例には年齢が関与するので、１８歳に達している場合は何もできないと言われました。
という事で、相手男性を判明させ、親御さんが交渉し、娘さんを元の生活に戻すようにするというのが目的の依頼となりました。
相手男性の立ち寄り先や乗っている車が手掛かりでしたが、あっという間に相手男性の素性は判明しました。
市営アパートに家族と暮らし、仕事は警備員として主に建設現場に派遣され、趣味は音楽バンドで楽器を担当している二十代前半の男でした。
特に違法行為をしている様子もなく、仕事には毎日通い、バンドのメンバーで定期的にライブを行っているという素行でした。
問題は進学を望んでいた女子高生の人生を変えてしまうような行為をしているという事です。
条例を知っているのかどうかは知りませんが、交際相手がまだ高校生なら深夜まで遊んだり泊めたりするのは良くない事だと思うのが真っ当な大人の対応といえますが、そこが欠落した男だと思われました。
どんな性格なのか、また正確な家族構成等も知りたかったようですが、調査費がかさむために調査は行いませんでした。
その後、親御さんがどのように対処したかは分かりませんが、この案件で高校三年生の行動について、色々考えさせられました。
四月の時点で１８歳に達している子もいれば、翌年の三月まで１７歳数か月という子も存在し、条例の線引きの境界にいるという状況です。
もしもまだ１７歳であれば、本人が同意していたとしても親御さんの許可なく連れまわしたり宿泊させる事は出来ませんので、法的に解決する事も可能ですが、１８歳に達しているともうどうしようもなくなってしまうのが現実です。
そうならない為にはどうすれば良いのか、難しいですね・・・
