素人同然の便利屋が探偵を名乗る
2023年03月12日
現在、探偵業は届出制であるので、公安委員会に届出をすれば探偵と名乗れる状態です。
もちろん欠格事由があるので、だれもが探偵になれるわけではありません。
ただ、探偵業の届出は、代表者に欠格事由がある場合に却下されるだけなので、代表以外の者が欠格事由があったとしても問題ありません。
つまり、事実上の代表が居るのに、別の者を代表にして探偵事務所を開業する事も可能という事です。
このような法の網を潜り抜ける方法は探偵業に限りませんし、世の中に蔓延しているのも事実です。
ただ、届出制や業法が施行された事により、それまでの無法状態からは改善されたのも事実です。
同じ者がいくつもの探偵社を名乗り、どこに問い合わせをしても同じ所に受け継がれるという手法をとっていた大手探偵社が過去には存在しましたが、今では没落し消えていきました。
また、フランチャイズを展開し、加盟店を増やすという手法をとり、実際はフランチャイズとは名ばかりで、加盟金と会費を集めるだけのフランチャイズ詐欺と言ってもいいような経営をしていた所もありますがこれらも消えていきました・・・
これらは曲がりなりにも、大元は一応探偵社なので、探偵は探偵であるといえます。
加盟した者も、それなりに技術は伝授されるので、基本は出来ていますし、後は自分自身の経営能力だけの話になります。
なので、これらについては、探偵の技法という意味においては最低限のものは確保されているといえるでしょう。
しかし、こういった探偵業界の話とは別に、便利屋が探偵を始めたという状況もあるという事を知っておくべきです。
便利屋はそれこそ、どんな相談でも受ける「何でも屋」といえるような商売です。
なので、探偵が行うような調査の相談も入る事でしょう。
しかし、業法が有る以上、継続して調査業務を行うのであれば、探偵業の届出をしなければならないので、便利屋が届出を出して探偵業も行うという業態を作る事があります。
便利屋の多くの業務は、人からの雑用を受ける事ですので、庭の草刈りだの、家の掃除、エアコンのクリーニング、犬の散歩など様々な事を頼まれるのでしょうが、調査関連の依頼は極少数といえるでしょう。
ただ、ゼロではないので、届出をしないと業法違反になりますから、届出をし、探偵も出来ますと言っておくのだと思います。
こんなペーパー探偵の調査技術は素人同然と言っていいでしょう。
それが証拠に、当社には複数の便利屋から報酬は要らないので、現実の調査に同行し、技術を教えて欲しいと言う便利屋からの相談がありました。
一度手不足の時に使ってみましたが、プロ意識が無く、張り込み中に寝ている始末で、最低限必要な機器すら用意しないというお粗末なものでした。
それ以後は二度と便利屋を使う事は無くなりましたが、依頼人様達におきましては、そんな便利屋が探偵をしているかどうかは中々判別がつかないと思われます。
これをどう判別するかというと、探偵事務所と同じ名の便利屋がある、又は他の探偵社よりも極端に調査料金を安く宣伝しているというものがあります。
あとは、電話相談の時点で、便利屋さんではないですよね?と確認してしまうという方法もあります。
元々探偵だった者が便利屋を始めたという逆の場合であれば、探偵のスキルは担保されるでしょうが、便利屋が名ばかりの探偵を名乗っている場合はほぼ素人同然の仕事しか出来ませんので、ご注意ください。