テレビや映画、小説や漫画の探偵と現実の探偵は全く違う
2022年10月28日
だいぶ過去の事になりますが、ある探偵学校の教官と話をした事があります。
探偵学校ですから、探偵志望の者が入学し、探偵の技術を学ぶのは当たり前ですが、現実の探偵の技術を勘違いしている生徒が存在している事に困惑すると聞かされ、ビックリした思い出があります。
確かに、その専門分野に自分を投入してみたら、想像していたものと違っていると気付く事は、探偵以外の業界でもあり得る事です。
例えば、似て非なる警察の活動においては、探偵よりも自分のイメージと違う事に驚いた警察官志望の人は多いのではないでしょうか?
しかし、警察官は公務員であり、厳正な試験とそれに合格した後の警察学校というものがあり、この時点で自分のイメージと仕事の内容がかけ離れていると知れば、辞退して別の仕事に移る事でしょうから、実際の業務に配置されてから失望する事は少ないかもしれません。
最近の警察関連のドラマにおいては、あまり荒唐無稽なものは少なくなってきました。
刑事が常に拳銃を携帯し、犯罪者と銃撃戦を毎回行っているようなドラマが過去には多々ありましたが、最近はほとんど見なくなりました。
そういうアクション刑事ドラマに憧れて警察官になろう、そして刑事になろうと思った人は本来の警察活動を知ったら失望したのではないでしょうか?
警察の業務は多岐に渡りますが、ドラマに出てくる警察業務はほとんどが刑事さんが主であり、それ以外は事件現場に出てくる鑑識課辺り程度でしょう。
しかし、実際には事務の仕事もあったり、交通課もあったり、事件現場の最前線に立つ機動隊や特殊部隊、都会においては交番勤務や地方においては駐在さんなども存在し、刑事さんになれたとしても、犯罪分野別に割り振りされて、自分の好きな業務を出来るわけではないのは、民間企業と同じといえます。
探偵の場合は、それほど実務においての業務が多岐に渡る事はありませんが、探偵志望の方の探偵のイメージが実情と凄くかけ離れている事に問題があります。
それが何かといいますと、漫画でいえば、名探偵コナンや金田一少年の事件簿などが挙げられます。
映画だとハードボイルド系のものが多いように思われますが、探偵はバーにいる等の刑事事件に巻き込まれてハードアクションに発展するようなものが散見されます。
しかし、このような探偵ものはフィクションであり、架空の物語なのです。
本来の探偵の業務と言えば、地味でキツイ尾行や張り込みが主であり、探偵として届出をしたとしても、何の権限も無く一般人と同じ状況で調査をするという過酷な仕事なのです。
カッコよく推理して事件を解決したり、犯罪組織と対峙してやっつけたりなんていう事をしている探偵はこの日本には存在しません。
むしろ、探偵になりたいと思って、探偵業界の実情を知らずして業界に入ってきたとしたら、その時点で探偵には不適格といえるでしょう。