人探しは居場所を突き止めるまでが探偵の仕事です
2022年10月27日
探偵の仕事を誤解している方がいらっしゃいますが、探偵は調査をしてその調査結果を報告するだけの仕事です。
なので、警察のような捜査権はありませんし、ましてや調査対象者を捕縛するような権限もありません。
探偵には人探しの相談が入る事が多々ありますが、何が出来るかといえば、対象となる人物の居場所を調べる事だけです。
なので、借金して逃げている、又は横領して逃げているという対象者が、実家に戻ってきた所をとらえたとして、その対象者を拘束するような事は出来ません。
現実的に言えば、実家に戻ってくる所を張り込んでいて、運良く対象者がそこに現れたとして、実家に戻ってきたという結果報告しか出来ません。
もちろん、実家から現在の潜伏場所への移動があれば、尾行して突き止めますが、単独での尾行は難易度が高く、複数の調査員で行う事が基本となります。
と、どうなるでしょうか?
いつ現れるか分からない対象者を、複数の調査員で張り込んでいて、それが何日もかかったとしたら、莫大な調査費となります。
それが平気で払えるなら、いくらでも依頼されて結構ですが、そんなケースは極まれです。
数百万円、数千万円の借金や、横領であれば、探す意義もあるでしょうが、数十万円程度の事案で、それ以上の調査費を掛けて対象者を探すというのは費用対効果を考慮すると、馬鹿げた事となります。
よく数万円や数十万円程度の貸金をして逃げられたから調査してほしいという相談がありますが、貸した金額よりも調査費のほうが高くつくのに調査しますか?と問うと、初めて理解される方が多くいらっしゃいます。
なので、まずお尋ねするのは、借金絡みの人探しの場合、どれほどの金額を貸したのか、横領の場合はいくら横領されたのかを聞く事にしています。
そして、人の金を持ち逃げするような者は探して見つけたとしても、その金はもはや残っていないという状況が予測されます。
となると、無い所からは取れないというのが金銭に関わる民事の常識ですので、取り戻せないのに探偵を使って余計に金を使うのはナンセンスとしかいえません。
なので、借金絡みの人探しの相談は、ほとんどの場合、調査をすべきではないケースがほとんどです。
そして、金は問題じゃないというケースでも、逃げている対象者を見付けたとして、探偵が出来る事はその対象者がどこへ戻るのか、アジトはどこなのかを調査するまでしか出来ませんので、対象者を見付けたからといって、そこで拘束し、依頼人に連絡して引き渡すというような事は法的に違法行為となりますので出来ません。
アメリカには賞金稼ぎのような職業もありますが、日本ではそのような生業はありませんので、どうか誤解のないようにお願い致します。