汚い世の中
2022年05月26日
子供の頃、大人の言う事は聞きなさいと言われた人は多いと思います。
確かに子供の浅知恵という言葉がある通り、まだ知識のない子供は浅はかな事をしてしまう恐れがある為に、子供の考えだけで行動するのは危険という事から、大人に従いなさいという意味合いがあるのは確かです。
これが、行動を伴って危険が差し迫るような状況においては、有効な話ではあるかと思います。
しかし、善悪においては、子供の方が純粋で子供の判断の方が正義といえる場合が多いと思われます。
大人になると、純粋な善悪だけでなく、利害が関わってきます。
利害が関わると、善も悪も無くなり、自分の利益に準じた筋道が正義となってしまいます。
そしてどんな屁理屈をこねようと、自分の理屈を正論としようとします。
これが大人の世の中です。
国と国ならもっと酷い状況といえます。
屁理屈の度が格段に上がり、お互いの利益の為なら、国民の命や財産までもどうでもよくなってしまうのが国家間の紛争です。
こう考えると、子供のうちから自分の利する事を優先し、善悪の概念は後回しにするという教育をした方が良いような気がします。
大人になり、大人の事情というものが当たり前になった時に、それまで教育されてきた善悪の概念が覆され、本来の善を表面に出したら大人の都合によって抹殺されてしまうのだったら、最初から大人の常識を子供の頃から仕込んだ方が良いのではないかと思います。
大人の世界では嘘は当たり前、約束破りも当たり前、貧すれば鈍するも当たり前というのでは、成人するまでの道徳教育は一体何だったのだ?という気になりませんか?
世の中は汚い、その世の中でどのように立ち振る舞って生き抜いていけば良いのかという教育をした方がよっぽどプロフェッショナルな大人になれるような気がします。
そうすれば、逆にいえば、騙されないような防衛力を身につける事も出来ます。
自分から仕掛けるようなどこかの独裁者のような行動はいけない事という教育は大事だとは思いますが、そこまでの極端な行動でなければ、正直者が馬鹿を見るという目に遭う事もなくなるでしょう。
人を見たら泥棒と思えということわざがありますが、これはまさしく的確な指摘といえるでしょう。
大人の社会では悪意ある者がありふれています。
そのような悪人から身を守る為には、善人ぶっていては破滅させられてしまいます。
世の中は汚いものであり、清流には不魚住なのです・・・