対象者が気の毒になる案件もある
2022年04月24日
浮気は確かに悪い事とは思います。
しかし、これじゃあ配偶者から離れていっても仕方がないんじゃないか?と対象者を気の毒に思う事も中にはあります。
一番にそう思った案件は、浮気をしていないのに浮気を疑われて調査をされている対象者の方の話です。
依頼人が、毎日のように遅くまで帰ってこない配偶者の職場に問い合わせたら、そんなに残業はさせてないという事が判明し、浮気を疑ったようなのですが、浮気などしておらずに、仕事帰りに帰り道にある公園でコンビニで買った酒を飲みながら時間を潰していただけで、全くの白でした。
理由が知りたいから調べられるかと依頼人の要求があったので、成功報酬で対象者に調査員を接触させました。
ベンチが一個しかない公園だったので、近付くのは簡単だったようで、対象者と同じように酒を買って同じベンチに座って、世間話を始めました。
嫁さんと不和なんだという愚痴を調査員がしてみると、対象者もうちも似たようなもんなんだと話し始めました。
男はツライですよねぇと話を進めていくと、対象者が本音を話し出し、家に帰らない原因が判明しました。
そこそこの会社に勤務している対象者は大卒ではなく、大きな出世は見込めず、年下で後輩が上司になってきてしまった年代に差し掛かっているそうで、それを奥さんから咎められたりしているそうで、自分自身もコンプレックスがあるのにさらに追い打ちをかけられてるようで、たまらないそうです。
もう中年になっているのですが、子供が出来なかったらしく、特に不妊治療とかはしなかったようなのですが、それも自分のせいにされたりして、結婚相手として不適格だったような事も言われたそうです。
家も奥さんが相続した義理の父親の家に住んでいるそうで、本来なら新築の家を建てている年代なのに、居候のような旦那だみたいな事も言われ、もうさすがにいたたまれなくなって、家に居る時間を極力少なくしようと思ったのが始まりという事を話してくれました。
調査結果を精査しているうちに、第三者からみても、この仕打ちを受けていたら家には帰りたくなくなるだろうなと切ない気持ちになりました。
これをどのように報告すれば良いのか、少し悩みましたが、ありのままを報告しなければならない仕事ですから、そのまま依頼人に伝えました。
依頼人も、そこまで夫を傷つけてしまっていたのは知らなかったと言っていましたが、自分が夫に言った言葉は忘れていないようで、調査結果が真実である事を認め、帰っていきました。
探偵の仕事はここまでですので、この後の依頼人と対象者がどうなったかは知る由もありません。
この他にも、この家庭環境では浮気をするはずだと思った案件が何件かありますので、気が向いたら投稿してみようと思います。