謝ってしまうと・・・
2022年04月4日
日本人は「すみません」という言葉を違う意味で使ってしまうほど日常的に使用しています。
「すみません」は、正確には謝罪の言葉であり、自らが悪いと認識して謝る場合に本来は使うものですが、人を呼ぶ時や「ありがとう」の代わりに言う文化があります。
なので、自分が悪いわけでもないのに「すみません」と言ってしまう事も多々あると思います。
これは海外では、自分の非を認めた事とされてしまう為に、自分が悪くない場合、又は自分が悪いと認識出来ていても、公平なジャッジが為されなければ、軽々に「すみません」とは言いません。
昨今では、この考え方が損害賠償が発生する場面や訴訟になるような問題に当たる時に、日本でも適用されるようになってきましたので注意が必要です。
ただ、前述したように、日常会話において、別の意味なのに「すみません」と言ってしまう癖が根強く付いてしまっているので、ある程度の年齢に達している方は中々修正が難しいと思われます。
昔は、ちょっとトラブルが発生したら、謝って解決してしまおうという教育が学校でも為されていたので、生徒同士の喧嘩でもお互いに謝って仲直りしてしまいなさいという教育をしていた時期があったので、かなり日本人はすりこまれているのでしょう。
どちらも悪いと思われるケースならともかく、一方的に片方が悪いのに、二人共謝ってお終いにしろというのは、あまりにも軽率な指導といえます。
徹底的に原因を究明し、非の有る方がどちらなのか、どちらにも非があるのかを審判し、悪い方に謝らせる事が大事だったのではないかと思います。
交通事故が良い例で、今ではほとんどの事故で、警察を呼ばないケースは見られず、必ず現場検証をして、加害割合を決定するようになっています。
昔はどう考えたって、相手に事故の原因であるのに、10対0の加害割合が無く、被害者でありながら多少の責任を負った形にされていた時期がありましたが、現在では停車中の車に追突したような場合、追突した方が100%事故の責任があるとされるようになりました。
当然の進化だと思います。
この時に注意したいのが、警察や専門家が事故の責任割合を決定する前に「自分の方も悪かったから」などと遠慮した言葉を発してしまわないという事です。
客観的に事故を分析してもらえるのに、自分から非を認めてしまうとそれが組み込まれてしまうからです。
日本人の奥ゆかしい態度が自分を不利にさせてしまう事があるという事を認識して、交通事故に限らず、悪くも無いのに「すみません」という言葉を使うのは控えるべきでしょう。
何か助かる事をしてもらったら「すみません」ではなく「ありがとう」です。
飲食店の店員さんを呼ぶ時は「すみません」ではなく「店員さん注文お願いします」だと思います。
本当に自分に非があると思う時以外は「すみません」を使わない癖をつける時代になっているのではないかと感じます。