夜間撮影の機材
2021年12月3日
探偵の良し悪しは様々な分野で計る事が出来ますが、技術的な面において、撮影技術の良し悪しというものがあります。
その中でも、夜間の撮影にどれだけ重点を置いているかがプロ意識の有無とまでいえると思います。
ある探偵社の報告書を依頼人から見せてもらった事がありますが、真っ暗な場所に人影が写っている画像が印刷されていました。
写っていると思われる人物の関係者ですら、特定出来ない真っ黒ケの写真です。
これを報告書として出せる厚かましさにびっくりした記憶があります。
なぜこのような写真になってしまうかと言いますと、撮影機器に夜間用のものを装備していない事があげられます。
夜間撮影の機器には色々なタイプがあり、現在ではかなり安価なものまで一般に販売されているので、探偵御用達のものですらなくなってきています。
それなのに、普通のビデオカメラしか装備せずに、対象者を特定出来ない不十分な調査結果を出して大きな顔をしている探偵がいると思うと情けなくなります。
普通のビデオカメラには、夜間モードのスイッチがある機種や、赤外線モードに出来るカメラもあるのですが、それは探偵向きではありません。
夜間に、ハイ撮りますよ~と言って、近距離で撮影するなら、撮影は可能です。
しかし、探偵が撮影する場合、ある程度の距離が対象者との間にあり、ハンドカメラの赤外線の照射距離では追いつきません。
ニュースなどで、容疑者を赤外線を使用して緑色っぽい画像で撮っている画像が出てくる時がありますが、あれはある程度近くまで寄って撮影しているから撮れているのです。
ではどうするのかと言いますと、距離を稼げて暗闇でも撮影可能な機材を使用するという事になります。
ISO感度を高く上げられるカメラを使用したり、長距離飛ばせる赤外線照射機を使ったり、元は軍用だった暗視カメラを使用する等があげられます。
カメラですと静止画が主になってしまいますし、大きさもあるので、当社では使用しません。
長距離飛ばせる赤外線照射機は試しに導入しましたが、電源の確保の問題で限定的な使い方になっています。
そして暗視カメラですが、これは初めて導入して現場で使用した時には、もうこれは手放せないと感じました。
少しの光量を増幅させる機能と、不可視の赤外線を100m以上飛ばして真っ暗闇でも撮影出来る機能があり、さらにSDカードに記録出来るという優れものです。
今では一般的になってしまった暗視カメラですが、導入当時はそこそこの値段がしました。
それまで苦労してきた夜間撮影がとても楽になり、知り合いの探偵にもすすめたりしました。
何を使用するかは別として、このように夜間の撮影が不可能な機材しか持っていない探偵には依頼しない方が無難です。