盗聴器発見調査のトラブル率
2021年10月2日
盗聴器発見業務を積極的に行わなくなった探偵社は相当数あります。
なぜかと言いますと、依頼人とのトラブルが多いからです。
盗聴器発見の依頼で、実際に盗聴器や盗撮器が出てくる確率は、一割を切る位に小さいものです。
つまり、個人の調査依頼の場合は、被害妄想の類がほとんどなのです。
いくら探しても出てこない場合「盗聴器はありません」という結果になります。
しかし、盗聴器が仕掛けられていると思い込んでいる、又は妄想にまで進行してしまっている方は「無い」と言っても「絶対にある」と譲らない場合があり、ここからトラブルに発展していく事が探偵業界に多数散見されます。
知人の探偵も、企業の依頼なら受けるが、個人の場合はよっぽどでなければ受けないという方針にしたそうです。
そこそこ面倒なトラブルに見舞われたのだと思われます。
個人間のトラブル、交際している方とのトラブル等、人間関係の問題で、心神耗弱状態になってしまった方は、正常な判断が出来なくなっている場合があります。
そういった方に「盗聴は絶対にされている」と断言されてしまうと、無いものを無いと証明しなければならない悪魔の証明をさせられることになります。
最終的に、料金は要りませんと言って、無駄骨を折って、赤字の仕事をして帰ってくるという不毛な業務となってしまう事もあり得ます。
となれば、そんな調査を最初からする必要はないという気になるのは当然の事だと思います。
当社でも、基本は企業様からの盗聴器発見を優先する営業方針にしており、個人の依頼の場合は、よほど話に整合性がなければ、受けないように電話相談の時点で、判別するようにしています。
妄想の類になっている方の場合、話の辻褄が合わなくなってくるのがほとんどです。
なので、すぐに納得せず、相談の段階で、ある程度の所まで細かく状況を聞いてみるようにしています。
どうして盗聴されていると思うのか、どの場所に盗聴器が仕掛けられていると思うのか、自分以外に部屋や車に入れる者は存在するか、盗聴された事による被害はどういったものなのか等、依頼をする動機とその状況を事細かに聞いてみます。
すると、話にほころびが出てくるのです。
色々な例があるので、全部は書けませんが、ひどいものになると、テレビが自分を盗撮しているというものがありました。
相談者が、テレビを見ていると、テレビに出演しているタレントが、自分と同じ動きをするので、盗撮されているというのが盗撮被害の根拠だそうです。
番組名を聞くと、生放送ではなく、録画の番組であり、現在の相談者のモノマネをする事は不可能であり、完全なる妄想か幻覚症状と言えるでしょう。
このレベルになると、電話相談の段階で丁重にお断りするしかありません。
という事で、盗聴盗撮発見の業務は積極的には行っておりません。