パワハラの相談
2021年03月20日
探偵事務所にパワハラについて相談が入る事があります。
上司や同僚から暴言を吐かれ、辛い毎日を過ごしているというものがほとんどですが、探偵に出来る事は限られています。
相談者の勤務している会社の形態にもよりますが、調査員がその会社に潜入してパワハラの実態をつかむという手法が一つあげられます。
しかしこれは、どんな人でもどんな時期にでも入社出来るような会社でなくては無理な手口です。
例えば、新入社員を採用して初出勤が四月からというような企業では、調査員が潜入するのはまず不可能です。
可能な仕事と言えば、建設会社の末端の労働者や飲食店の店員、コンビニのバイト等、いつもバイトを募集しているような職場となります。
ただ、こういった職場でのパワハラがあったとして、辞めてしまえばいいだけですので、こういう職場で働いている方からの相談はまずありません。
という事で、調査員の潜入はほぼ無理となります。
建設会社で現場仕事をされている方であれば、屋外の会話を遠方から録音する事は可能ですが、現場事務所などの建物の中でのパワハラには探偵は対応出来ません。
内勤の方で、オフィス務めであればなおさら無理です。となれば、相談者本人が自分で出来る事を指導する事しか出来ないのが現実です。
ただ、これらの事柄は、ネットで検索すれば出て来る事であり、探偵に直接聞くまでもない内容ですが、精神的にまいっていると思われ、縋る思いでの相談なのだと思います。
なので、当社としては、プロも使用しているような秘匿カメラや、長時間録音が可能なICレコーダーの程度の良いものを紹介し、その使用法を教えるようにしています。
それらの記録装置を使用して、パワハラの実態を捉えて、恫喝や脅迫、暴力行為等があれば、社内のしかるべき部署へその証拠を提示し、待遇の改善を求めたり、救済を求められないような会社であれば、パワハラ防止法という法律の下、証拠をもって弁護士などの法律家に相談するという方法もあります。
パワハラ防止法は去年に施行された新しい法律ですので、あまり知られていないかもしれませんが、パワハラの定義に当たる行為をされているなら、違法行為を受けているという事ですので、法に訴える事が可能となりました。
ただ、一つ言える事は、大きな会社であれば、配置転換などで、パワハラの加害者との接触を無くすという事も可能でしょうが、中小零細企業だと、社長やその一族の者がパワハラの加害者である場合もあり、訴えを起こして行政指導が入ったとして、その後の勤務を愉快に務められるかというと難しいものがあるのが現状でしょう・・・