探偵同士の盗聴器発見の雑談
2021年02月28日
探偵事務所を営んでいて、盗聴器発見を業務の一つに入れている所は多く存在します。
当社でも盗聴器発見業務はあまり多くはないですが、たまに入る依頼ではあります。
盗聴器発見業務は、探偵業界でも盗聴器発見専門の業界でも、発見率は2割に満たないといいます。
これは、見つけられなかったのではなく、元々盗聴器が無かったという結果です。
では何故、8割近くは元々盗聴器が無いのかといいますと、被害妄想の類で盗聴器が仕掛けられていると思い込んで依頼されてくる方が多いからと言われています。
精神を病んでしまっている方、何かの外的な要因で精神的に追い込まれている方、薬物を使用していて幻を見ている方等が、それらにあたります。
そういった現場に盗聴器発見業務で出向いた探偵同士の雑談は笑えるものから恐怖感を覚えるものまで多岐にわたります・・・
ある探偵さんは、壁の中に盗聴器が仕込まれていると言われ、そこを重点的に調べても電波が出ていないので、無いと思われると告げると、絶対にあるから壁を開けてみてくれと言われ、壁を切っても良いという承諾書を書いてもらってから、ノコギリを使用して、部屋の壁を四角く切断したそうです。
壁の中を見ても、何もなく、これで盗聴器は無いという事を理解して頂けましたか?と問うと、今度は屋根裏にならあると言われ、ビデオカメラを持って屋根裏に登り、くまなく撮影し、盗聴器はありませんと告げると、今度は、風呂場にあるはずだと言い出したのだそうです。
この辺りで、もはやこれは妄想の類だと思い、無いですと告げて帰ろうとすると、依頼人は怯えた様子で、「風呂だ!風呂桶の水の中から監視されてる、盗聴じゃなく盗撮だった!!」と叫び出したそうです。
これにはもう探偵もたまらずに、脱出するように逃げ帰ってきたと言っていました。
この他にも、まだまだありますが、これは依頼は受けませんでしたが、当社へ盗撮被害の相談があった一例です。
ある中年男性からの相談だったのですが、盗撮されているので、盗撮器と盗撮魔を見つけて欲しいという依頼があり、どのような盗撮ですか?と問うと、テレビの中の人が自分の真似をすると言うのです・・・
テレビの前で自分が動いているポーズをテレビのCMが同じことをしてくると言い、どこかにカメラが仕掛けられていて、自分の動きを監視しているからそんな事が起きるというのです。
生放送のCMなど、現在はありえませんので、盗撮が実際にされていたとしても、リアルタイムで真似をするなんて事はありえません。
そういった現実を説明していくと、前述した知り合いの探偵さんの時のように、次から次へとありえないような話をし出してきたので「ちなみに、お身体の具合はどうですか?」と聞くと、ちょっと前に入院していたが、今は前よりはいい状態だと言うので、差し支えなければどのようなご病気を?と聞くと、精神科だというので、これは受けてはいけない依頼だと思い、当社では手に余る業務ですのでとお断りしました。
こういった病気の方からの依頼をそのまま受けてしまうのは、詐欺まがいの営業となると判断しての事です。
営利主義の探偵であれば、向こうから依頼してきたのだから、受件しても問題ないだろうと言うかもしれませんが、それはあまりにも人道的ではない考えだと思います。
これが薬物使用による精神の錯乱だったりした場合は、調査員に危害が加わる可能性だって考えられます。