超常現象?
2021年02月1日
探偵ものの漫画やドラマ等で、怪奇現象や超常現象に見舞われている依頼人の実態を調べるという話がしばしば出てきます。
当社でも、怪奇現象が起きているという案件ではなく、近隣トラブル解決での依頼案件で、奇妙な体験をした事があります。
その案件は、老女と息子さんの二人が住む一軒家に、向かいの家の十代の男の子が悪戯をしているので、証拠をつかみたいという相談でした。依頼人はお婆さんの方です。
どのような被害が出ているのかといいますと、庭の花壇を荒らしてくる、玄関前にゴミが置いてある、センサーライトにレイザー光線を当てて、一晩中ライトを作動させるというものでした。
どれも嫌がらせや悪戯としては単純なものであり、防犯カメラを設置したほうが安上がりだし、きっちり証拠が取れますと依頼者様にはお伝えしたのですが、防犯カメラは既に電気店に頼んで設置してある。あるのだが設置してからはあからさまな悪戯は無くなり、センサーライトへ光線を当ててピカピカ点滅させるものだけになったというのです。
それなら、その光が犯人と疑われる家から出ているのだろうから、その光の元が撮影出来れば証拠となるのでは?と問うと、赤や青の光線ではなく、不可視な光線なので、カメラに映らないというのです。
まぁ話だけではなんとも言えないので、調査してみましょうという事になりました。
依頼者様の家には、調査員が宅配業者を装い、撮影機材を予め届けておき、調査員自体は、対象者宅から見えない依頼者様の家の裏口から家に入り、依頼者様の家には依頼者様しか在宅していないという状況にカモフラージュして調査にのぞみました。
息子さんは夜勤の仕事で夜は家に居ないとの事でした。
家の電気を消し、全てのカーテンを閉め、対象者宅の家に向かって暗視カメラを設置し、光線が出て来るところを捉えようとセッティングしました。
家の中の移動は、小型の薄明かりしか付かないライトを使用し、対象者から動きを悟られないようにして、調査員の張り込み部屋を決定し、常時撮影のカメラと、調査員の実目視&手動撮影の二段構えの撮影布陣としました。
張り込み場所は二階の寝室で、カーテンの隙間をほんの少し開けてピンホールレンズを使用したカメラで対象者宅を監視し続けたのですが、光線の類は全く発してこないのです。
であれば、センサーライトが点灯する事もないはずですが、センサーライトが点灯するという現象は、調査員の前でもまぎれもなく起きているのです・・・
そしてここが残念な所だったのですが、防犯カメラは、カメラ自体は普通のカメラだったのですが、録画機が玄関のインターホンと連動しているような小さいモニターのもので、しかも暗視カメラではないため、センサーライトが消えている時は真っ黒な画像しか録画出来なかったのです。
しかし、記録された録画映像には、白い光がモニターの端にたびたび映っているのです。これを依頼者様はレイザー光線だというのです。
ただ、その光は真っ直ぐに照射されたものとはいえず、色々な角度から飛び込んでくる感じに見えました。
設置したカメラの録画映像と調査員の目視では全く見る事のできなかった白い光の影・・・
結局、深夜にまで及ぶ調査を行ったのですが、対象者宅からの光の発射は確認できず、また暗視カメラの録画映像にも、対象者宅の依頼者様宅側の窓は全て閉まっており、電気も消えているという動きの無い映像しか録画出来ていませんでした。
なのにセンサーライトは作動している・・・
機械の故障なのか、あるいは昆虫の類がセンサー付近を飛び交い、それに反応しているのか、虫が居ないか確認したのですが、小さな羽虫は飛んでいましたが、その程度ではセンサーは反応しないという電気店の対応があったというので、これ以上は探偵でもどうしようも出来ないという事で、一番奥の部屋で依頼者様と協議して調査終了としたのですが、なんとそこには依頼者様の亡くなった旦那さんの遺影があり、まだ仏壇も用意されておらず、亡くなってまだ間もない状況が垣間見れました。
そして、その家の防犯カメラとセンサーライトが設置してあるのは、その旦那さんの遺影が置いてある部屋のすぐ脇!!
超常現象や怪奇現象の特番で、オーブと呼ばれる小さな丸い発行体が撮影される事があるというのを見たことがあります。
先程、小さなモニターに映っていたのは、まさにそのオーブそっくりではありませんか!
しかしその事は、何の科学的根拠のないものなので、依頼者様には伝えずに、調査現場を後にしました。
あれは一体何だったのか・・・