探偵VS探偵という構図はフィクションではなく現実にあります
2024年04月11日
以前、探偵の探偵という小説があり、漫画やテレビドラマにもなりました。
ストーリーを簡単に言えば、悪徳探偵の摘発をする同業探偵社の部署に対探偵課という部署があり、そこの署員が主人公の物語です。
子供の頃に妹を悪徳探偵が絡んだ事件により殺された事に対する復讐をする為に、自分自身が探偵になり、悪徳探偵を摘発しながら、復讐相手の探偵を探しているという筋書きで、現実の探偵には対探偵課などというものはなく、これは完全にフィクションの世界の物語です。
悪徳探偵を摘発したからといって、費用対効果はゼロに等しく、営利目的にはならないので、そんな事をする酔狂な探偵社は存在しないからです。
もちろん、同業者が減っていけば、自社に回ってくる仕事は増えるという利点が無いわけではありませんが、悪徳探偵がやるような依頼は、真っ当な探偵社では受けない依頼なので、悪徳探偵が減ったとして特に利点はないでしょう。
単に業界がクリーンになるというだけであり、自社の業績には無関係といえます。
という事でこのようなお話はフィクションであり存在しませんが、探偵と探偵の対決というのは現実に存在します。
その一例としては、自社の依頼人がどこかの探偵の調査対象となっていて、その探偵の調査状況を調べたり、妨害して調査不可能としてほしいという依頼により、他社の探偵と対決するという事は現実に有り得ますし、当社でも十数年前に一度だけ経験があります。
依頼人様は、おそらくは探偵と思われる者が尾行や張り込みをしていると感じるので、まずそれを確かめて欲しいという依頼と、探偵が自分を調査しているという事実が判明したら、その調査を不可能にする工作をしてほしいというものでした。
これはそれほど難しくない業務であり、探偵が探偵の動きを知るのは簡単で、張り込む場所や尾行については、依頼人様の所在地や行動に対して、自分ならどう調査するかを考えれば、相手探偵の居場所はすぐに判明するからです。
そして遠目から張り込み場所として最適な所を探したら、案の定探偵と思われる者がそこに居ました。
ここからは相手探偵との対決となりますが、これも依頼人様からの電話相談の時点で、当社に来たり、別の場所で会ったりせずに、今で言えばリモートで面談をして契約を済ませ、依頼人様も探偵を使っている事を相手の探偵に知られないようにしていたので、相手探偵にはこちらの存在を気付かれぬまま動く事が出来たので、こちらの圧勝となりました。
依頼人様の車にはGPSが取り付けてあり、それを外した上でこちらの調査員にGPSを渡してもらい、こちらの調査員を相手探偵に尾行させる事に成功し、とある公衆便所にGPSを置いて、公衆便所の周りをグルグル周っている相手探偵を見ているのは滑稽でした。
GPSの取り付けや調査している事が発覚したと気付いた相手探偵はそれからほどなくして居なくなりましたが、相手探偵の車を調べたところ、首都圏に存在する探偵社の車と判明しました。
探偵は調査している事が対象者に発覚するのが一番の失敗ですので、相手探偵の依頼人にはどのように弁解したのかは知りませんが、その後二度と当社の依頼人様には寄り付かなくなったという事でした。
これはほんの一例ですが、たまに探偵同士が対決する事になるケースは現実に存在します。