探偵の探偵をする探偵業務は実在します
2023年08月3日
探偵の探偵という小説がありまして、対探偵課という部署を設け、悪徳探偵を駆逐するというボランティア業務をしている探偵社というフィクションです。
現実の世界には、そんなボランティアをしている探偵社はありませんが、依頼の内容によっては、探偵の探偵という状況になる事はあります。
十年以上前の案件ですので、もはや時効の案件になりますが、ある女性が探偵に調査をされていると感じるので、それが事実かどうか調べて欲しいという相談がありました。
正直、簡単な調査となるので、限りなく安価な設定で契約したのを憶えています。
本当に探偵が尾行や張り込みを依頼人にしているのであれば、同業者として、張り込み場所、尾行の間隔など探偵が居そうな場所は即座に分かるからです。
さらに探偵が自分を探偵されていると思う事は少なく、未熟な探偵でなくてもまさか自分が別の探偵に調査されているとは思わないという心理もあります。
という事で調査に入ったのですが、本当に探偵が張り込んでいました。
こちらとしては、宅配業者を装い、依頼人の家に入り、現状を伝え、依頼人の車に発信機が仕掛けられてないか、確認をさせてもらいました。
依頼人の車庫は、シャッターが閉まり、車庫内から家に入れるという環境だったので出来た事です。
案の定発信機が設置されており、即座にそれを外しました。
そして罠をはるという調査計画にし、発信機はこちらの調査員の車両に付け替えてしまい、相手探偵の尾行はこちらの調査員を付けるという状況を作ってしまい、調査を台無しにし、さらには調査が発覚し、陽動してしまう状態にし、調査継続を断念させる作戦です。
依頼人様の家の裏、そして相手探偵が張り込まない場所にこちらの調査車両を待機させ、依頼人様が車庫から車を出したら、こちらの調査車両がすぐ後ろに張り付き、依頼人様にはほぼ信号無視の早いスピードで行方をくらませてもらい、こちらの調査車両は別の場所へ移動するという計画です。
これもズバリ的中し、相手側の探偵の車両はこちらの調査車両を尾行してきました。
こちらもそこそこのスピードで海水浴場へ行き、発信機はその駐車場にある便所に置きました。
便所から離れた場所で、張り込んでいると、相手の探偵は発信機を元に海水浴場へやってきました。
便所の周りをウロウロし、車から出てキョロキョロしている姿が笑えました。
その姿と探偵の車を撮影し、依頼人様に報告したところ、二度と調査されたくないというので、相手探偵を判明させた後、その探偵社に所属探偵が海岸の便所でウロウロしている画像を送り、未熟な調査員に付き纏い行為をさせ続けるなら被害届を出すという匿名の郵便を送った所、調査される事は無くなったそうです。
探偵の探偵等というものはフィクションの世界ですが、上記のような依頼はごくたまに入る事はあります。