異常な依頼は受けないのが最善
2023年06月25日
これまでに色々な信じられない状況の依頼を受けてきて感じた事は、いくら仕事の為とはいえ、あまりにも常軌を逸した話の場合は依頼を断るべきだという事です。
一つの例をあげますと、過去の浮気を調べられますか?という相談がありました。
タイムマシンでもなければ、過去には戻れませんから、過去の浮気の決定的な証拠を取得する事は出来ません。
なので、浮気の証拠としての画像等を得る事は物理的に不可能ですと答えました。
すると、何か別の方法はありませんか?というので、過去に遡って、その当時の関係者からの証言を得るという方法はありますが、ただそれは直接的な証拠とはならず、証言者の証言が真実かどうかまでは定かにする事は不可能であると伝えました。
これはメールでの相談でしたが、直接面談して詳しく聞きたいというので、後日面談をしました。
びっくりしたのは、面談に現れたのは依頼人と調査対象者、つまり依頼人の女性とその夫(対象者)が揃って来社されたのです。
???となりました。
どこの探偵社でも???となると思います。
話を聞くと、夫が嘘ばかりつくので、過去に遡って真実を知りたいというのです。
しかし、メールでのやりとりの通り、過去の行動について決定的な証拠を得る事が不可能ですと答えましたら、聞き込みによる証言でも構わないというのです。
本件においての調査対象者である依頼人の夫も、自信があるのか、調査してもらって構わないという事でしたので、調査をする事になりました。
ただ、完全に秘密裏に調査を行うのであれば、かなりの工作が必要となるので、大掛かりな調査手法になるのと調査料金も高くなりますが、調査を依頼した事を明かした上での聞き込みであれば、安価に済みますが、証言者の証言の真否については、いかな探偵といえども審判をする事は出来ないと告げましたところ、依頼人は安価な方を選び、調査結果については、自分で判断するという事で契約しました。
密かに探偵に調査の依頼をしたのではなく、自分が知り得たい相手を同席させて依頼をしてくるという信じられない状況での調査依頼・・・
この世にも奇妙な調査をしましたところ、対象者である夫の事を悪く言う人は誰一人おらず、清廉潔白な人という調査結果が出ました。
もちろん、人の証言ですから、それが嘘か本当かまでは知る由はありません・・・
それを依頼人に伝えたところ、聞き方が悪かったのではないか?聞いた時間が悪かったのではないか?と色々難癖を付けてきました。
こうなるのではないかという予測があったからこそ、契約する前に色々説明をしたのですが、それでも良いから調査をしてほしいと言っておきながら、クレームを付けてこられたのです。
なので、もう一度、当初の説明をしたところ、対象者である夫と当社に乗り込んできて、モンスタークレーマーになりました。
本来であれば、自分の潔白が証明されて嬉しいはずの夫は、自分への攻撃が探偵に移るという事で事態が好転したと思ったのか、妻と一緒になってこちらを攻撃してきました。
ICレコーダーを使い、証言者の音声を聞かせ、このように証言されていますが、いったいどのように聞いてどの時間に聞けば、本当の証言が得られるのか?と聞いてみたところ、なんやかんやと言いがかりを付けては来ましたが、結局はこちらの正論に抗う事は出来ず、何もやましい事は無かったという事で円満に帰っていかれました。
このように犬も食わない夫婦のつまらない喧嘩に巻き込まれるような仕事もある探偵です。
これも仕事の一つと思えば苦にもならないのでしょうが、二度とこのような依頼は受ける気にはなりません・・・