探偵は魔法使いではないので物理的に無理なものは無理なのです
2023年01月10日
探偵というと、人それぞれの概念が違うと思いますが、何か特殊な能力を持っていると思われているふしがあります。
一つは、推理小説などに出てきて、知能の高い推理をし、難事件を解決するという探偵像、又は犯罪組織と対峙してアクションをこなして勧善懲悪を果たす探偵、スパイ顔負けの諜報活動をして情報を得てくる探偵などが、フィクションの世界で描かれていますが、フィクションはあくまでも架空の物語なので、現実には当てはまりません。
たまに、貸金をしたものの、逃げられてしまい、民事な為に探偵に債務者の所在の調査を依頼してこられる方がいらっしゃいます。
そう三者には、借金をして逃げた者の行方調査について、現実的にどうなのかをご説明するのですが、前述したようなフィクションの世界が探偵の現実と思われている方の場合、現実が受け止められず、やる気が無いのなら別の探偵に頼むわとか言い、憤慨して電話を切る方がいらっしゃいます。
確かに条件が整っていれば、一般人と違って、探偵のルートをたどり、あっという間に対象者の居場所を突き止める事は可能です。
ただそれは、条件が良い場合であって、常にそのような簡単な調査になるとは限りません。
それは、探偵から説明を聞かなくても、物理的、常識的に考えれば誰でも分かる事なのです。
しかし、探偵は魔法使いのように結果を出してくれると勘違いされている方がいらっしゃるので、とても困る時があります。
それは人探しのような調査の場合に顕著に見られます。
ほとんどが借金絡みの話の場合になるのですが、金を貸した相手が、金を返さずに逃げてしまったという設定ですが、借金をするという事は金に困っているという事であり、返せるあてがあったり、返す気があるような人は、そもそも借金をする事はほとんどありません。
なので、借金を抱えたまま失踪してしまったような人間を探すのは困難であり、もしも見つけられたとしても、返す金が無ければ返してもらう事は法的にも無理となります。
さらに、まともな社会生活をせず、偽名を使ったり、社会保障を受けていないような生活をしている場合は探す事すら困難になります。
例えば、ホームレスの生活をしていたり、本名や本人確認の要らない日雇いの仕事をして生活し、健康保険にも加入していないような状況であれば、見つけるのはほぼ不可能と言えるでしょう。
そんな現実を相談者に言わずに、調査をしましょう、必ず見つけられます等と言ってしまうような探偵は悪徳探偵ですので、注意してください。