憎しみがあっても手掛かりは捨てないこと
2021年12月8日
以前、ある浮気調査で、契約後の調査計画の打ち合わせ中に、対象者の画像等を出してほしいと依頼人様に言ったところ、全て捨ててしまったと言われました。
なんでそんな事を?と聞くと、相手の画像を見てしまうと、気が違ってしまうので、捨てたというのです。
確かに、配偶者の裏切り行為と、その相手に対しては、相当な怒りと憎しみがある事でしょう。
そして、この依頼人様の場合、まだ一年も経っていない新築の家が建ったばかりで、これから数千万円のローンを払っていかなければならない状況なので、気持ちはとても分かります。
離婚したいのなら、莫大なローンを抱える前に言ってくれてもよさそうだと誰もが思う事でしょう。
第三者の私でさえ、いくらなんでもこれは酷い仕打ちだと思いました。
悪く考えれば、とてつもない嫌がらせを含んだ離婚劇をしようとしているのではと勘ぐってしまうほとです。
しかし、最近、こういった家を購入した直後に離婚に走る奥さんが増加しているので、男性は家を建てる時は奥さんの不倫について気を付けたほうが良いと思われます。
話を戻しますが、憎い相手の手掛かりとなる情報を捨ててしまうと、その情報を手に入れる所から始めなければならなくなります。
となると、調査の起点がズレてきますし、調査内容も増えてしまいます。
例えば、浮気相手の住所を知っていたのだけれど、そのメモを捨ててしまい、正確な住所が分からない、又は、車の車種は分かるけど、ナンバーの控えを捨ててしまったので、ナンバーが分からない、そして配偶者の写真も浮気相手の写真も、けったくそ悪いから捨ててしまったので無い・・・
こうなると、対象者の特定から始めなければならず、その分調査が増えてしまうのです。
車のナンバーが判明していて、住所も分かっている、もちろん容姿の画像もあるとなれば、後は不倫をしている行動調査をすればいいだけの事ですが、何も分からなければ、対象者の所在から調査しなければならないし、所在が分かったら対象者の特定出来る画像の取得、職場の特定などをしてからでないと、調査になりません。
ある案件では、上記のようにほとんどの手掛かりを捨ててしまったのですが、対象者である奥さんの画像があるというので、見せてもらいました。
なんだ、あるんじゃないですか!と言ったところ、これは若いころの画像で、しかも太っていた頃なので、今は別人です、というコントみたいな会話をした事があります。
このように、憎い気持ちは分かりますが、調査をするのであれば、ぐっとこらえて、対象者の情報は捨てないようにしましょう。