携帯電話型盗聴器
2021年10月19日
一般的にいわれている盗聴器とは、電波式のものです。
なので、電波を受信する機械を使えば、盗聴器を発見出来るというのが盗聴器発見業務の仕組みです。
しかし盗聴とは、電波を発信して音声を取得するというものだけではないのです。
例えば、ICレコーダーを家や事務所、車などに仕込んで録音状態を継続し、後で回収して録音した音声を聞けば立派な盗聴となります。
また、集音器も使い方によれば盗聴器になります。家の場合、窓が開いているという条件が揃わないと不可能ですが、ある程度遠方から音声を集音させて増幅するという形での盗聴になります。
さらには、電波式ではない有線式の盗聴であると、電波は出ません。
これら電波を発しない盗聴の場合、電波受信器を使った盗聴器発見は不可能となります。
では、どうするのかといいますと、アナログ式の調査をするしかありません。
盗聴器が仕掛けられているような場所を目視で探り、端から端まで探していくという地味な作業をすることになります。
これが意外と時間が掛かるので、ほとんどの依頼人様が、電波式の盗聴器が出てこなかった時点で、調査打ち切りでいいですと言われます。
しかし、もしもの事を考え、ワンルーム程度のアパートや、一軒家でも一番多くいる部屋等は、サービスで探してみるようにはしています。
これらの盗聴器以外に、最近では厄介なものが出回りだしたようで、どのような盗聴器かといいますと、携帯電話を改造した盗聴器が出回りだしました。
携帯電話はデジタル波を使用していますので、電波受信器では音声を拾えません。
つまり、携帯電話の盗聴は現在ではほぼ不可能なのです。
これを逆に利用し、携帯電話を盗聴器に変えて利用するという手口が出てきました。
これだと電波は飛ばしていますが、見つけられない電波なので、盗聴器発見のプロが発見業務を行っても、見つけられません。
さらに厄介なのは、スマホを改造すると、外部からリアルタイムで操作が可能であり、聞きたいときだけスマホに電話をして仕込んである場所の音声を聞くという事も可能になっています。
これであれば、必要ない時は電源をカット出来るので、長時間仕掛けておく事が可能であり、充電の為に、盗聴器を回収しにいく回数は激減します。
とはいえ、盗聴器は、集音器のものは別として、聞きたい場所に行かなければ仕込むことは出来ません。
これまでのアナログ波の盗聴器であれば、コンセント型で電源を供給し続けて、一度仕掛けたら二度とそこに行く必要が無いものもありますが、それ以外はバッテリーの問題で、必ず回収しに行く必要があります。
となれば、器械を仕掛けた犯人は、部屋や事務所、車に入れる者に限られるという事になります。
という事で、部屋に入ったことがある人間にフェイクの情報を与えて、あぶり出すという方法もありますが、それについてはまたの機会に・・・