不思議体験
2021年10月15日
長年探偵をしていると、依頼によっては不思議な体験をすることがあります。
知り合いの探偵さんたちと話をしてみると、それぞれ色々な不思議体験をしているようで、探偵あるあるですね。
今回は、そんな不思議体験の一つをご紹介します。
これは、不思議体験というより心霊現象と言った方が正しいのかもしれませんが、ある老婆が、向かいに住んでいる家族から嫌がらせを受けているのでその証拠を取ってほしいという依頼での事でした。
話を聞くと、110番して警察まで呼んだ事もあるらしく、隣人との紛争はエスカレートしている様子でした。
始まりは、庭をイタズラされた事からのようで、庭の植木鉢を壊されたり、玄関を汚されたりした事からトラブルに発展したそうなのですが、証拠が無いので、警察を呼んでも、知らんぷりされてしまい、警察から防犯カメラを設置したらどうか、という提案をされたそうです。
防犯カメラがあるなら、探偵の出番は無いので、それに映った映像をもって警察に被害届を出せば良いでしょうとアドバイスをしたのですが、防犯カメラをケチってしまったようで、簡易的なカメラ、つまりセンサーライト一体式で映像の画素数も小さくモニターも大きめのスマホ程度のものであり、さらには、カメラは一台なので、死角が多く、カメラに映らないように家に接近する事も可能との事でした・・・
しかし、一応は防犯カメラなので、それを設置した事により、被害は収まるのではないかと思いましたが、さらにエスカレートしたと言うのです。
それは、センサーライトをわざと作動させ、夜間にライトを連続して点灯させるというイタズラだとのこと。
センサーライトは、ある程度接近しないと作動しないので、近くに寄ればいくら低性能のカメラでも犯人は映るのではないのかと聞くと、レーザーのようなものを発射して、遠隔からセンサーを感知させていると言うのです。
あまり聞いた事のないイタズラでしたが、必死に言うので、とりあえずそのイタズラを見てみない事にはどうしようもないので、裏口から密かに家に入り、その現象を見せてくださいという事になり、夜の10時頃に家に入れてもらいました。
すると話の通り、センサーライトが止めどなく点灯を繰り返すのです。そしてカメラの録画映像を見ると、白い光線のようなものが映っており、それに反応しているという仮説も信ぴょう性が出てきました。しかし、光線が出ているなら、その光線の出ている元があるはずですが、それが全く見当たらないのです。
容疑者の家を暗視カメラで見てみると、全ての窓が雨戸で閉まっており、光線を出せる状況ではなく、なによりその家からは光線は出ていません。
そして、どこからも光線が出ていないのに、録画映像には丸い光が映っているのです。
カメラの故障か、センサーの感度が強すぎて虫か何かに反応しているのではないかと話し合ったのですが、絶対にあの家の者がやっているはずだと言うのです。
しかし、その気配は全く見られないので、これが現実であり、物理的にはカメラの誤作動としか言えませんという事になり、調査は打ち切りにしました。
そして日当だけ頂くという事にし、調査料の支払いをして頂いた部屋には、まだ亡くなって間もない旦那さんの遺影が飾ってあり、その部屋のすぐ脇にセンサーライト付きカメラが設置されていたのです!
それだけで超常現象だというのはあまりにも稚拙な推理なので、一瞬頭をよぎっただけですが、亡くなったばかりの人がいる家で起きている不思議な現象が現実に起きているのは実体験から間違いない事でしたので、今でもあれはなんだったんだろうと不思議な思いになる時があります。
この他にも何件か、不思議体験はありますので、また気が向いたら書いてみようと思います。