法律家もよく見定めて
2021年06月30日
弁護士などの法律家へ相談してから探偵事務所に来られる方がいらっしゃいますが、本当に法律家なのか?と耳を疑うようなアドバイスを言われたという話を聞く事があります。
探偵の業務の大半は浮気調査になるので、その類の話なのですが、浮気の証拠について、法律家から見当違いの法的見解を言われ、それに従って探偵に依頼をしようとされる方がいらっしゃいます。
例えば、メールやライン、SNSでのやり取りも浮気の証拠になると言われたというものがありました。
これについては、文面にもよりますが、完全なる証拠となり得る文章が書かれている場合は少なく、浮気を疑わせる内容というものがほとんどであり、間接的な証拠でしかないというケースが大半を占めます。
なので、基本的にはメールなどのやり取りは決定的な証拠とはならない事が多く、単純にそれも証拠になりますと言ってのける法律家はどうなのか?と疑問に思います。
また、1回の浮気の証拠でも十分ですと言われたというものもありました。確かに1回でも浮気の証拠は証拠になりますが、以前から言われているように、3回以上の証拠があると浮気の継続性やその期間等の証明になるので、証拠としてとても有効であると言われており、現在ではネットの情報等でも誰もがこの事実を知っているはずですが、どうして1回で良いと言うのか、はなはだ疑問です。
さらに、既に別居して別の相手と生活しており、婚姻関係が破綻していて、後は離婚の条件をどうするかだけになっている状態で、浮気調査をしてみましょうと言われたというものもあります。
婚姻関係が破綻し、それ相応の期間が経過している場合、そこから先の現状を捉えたものを手にした所で、配偶者からは「はいその通りですよ」と言われるだけです。
やっても意味のない浮気調査をしましょうと言うのは、悪徳探偵には多いですが、弁護士が自分に利益にもならない事をやってみてくださいと言ったと聞いて、???となった過去があります。
探偵は法律家ではありませんが、その業務の内容に対する法的な知識は必要で、法律論や法学ではなく、現実の社会に適応した身近な法的な対応は心得ています。
そんな中、プロの法律家から頓珍漢な助言を得てきたという依頼人様の話をお聞きすると、ある意味気の毒にさえなる事があります。
昨今は、法律家が余っている状態であると言われています。
司法試験に受かれば弁護士にはなれますが、実地の経験が無ければ、現実社会の法律実務については、プロとは言えない状態です。
以前は、弁護士事務所に居候して、実務を学ばせてもらってから独立したようですが、今は弁護士余りの状態なので、居候を雇う事をしなくなり、困った新人弁護士が即独立という事になるケースも散見されます。
となると現実にそぐわない法律相談の回答をしてしまう者も出てくるのは当たり前の事になります。
なので、弁護士選びは、複数人が所属している事務所か、ある程度の営業年数がある個人事務所を選びましょう。