宣言して不倫を・
2021年04月29日
以前、ある初老の女性の依頼人様が来社され、旦那さんの不倫について相談されました。
旦那さんは、以後、愛人との関係を続けていくと奥さんに、言ってみれば「不倫宣言」のようなものをし、実際に不倫を続けているというのです。
ある意味、こそこそ不倫するよりは、清々しいともいえますが、奥さんにとってはたまらないでしょう。
還暦を迎えようとしている年齢に達しており、糖尿病も抱えているというので、身体がいうことを効くのか疑問でしたが、薬物を使用してドーピングをし、不能状態を克服しているとのこと・・・
心臓にも持病があるという事で、命懸けで不貞行為をする人もいるのかとびっくりしました。
70代になっても不倫している剛の者もいらっしゃいますから、年齢的にはまだまだなのかもしれませんが、そういう人は健康体であり、持病が無い人の場合が多いものです。
奥さん的には、もう互いにいい歳だし、夫婦関係が無くても別に構わないのでしょうが、お金をよその女に使われるのは気持ち的にも経済的にも許せるものではないはずです。
これまでの生活を支えてきたのは奥さんですし、よその女に財産を奪われていくのは耐えられないでしょう。
普段の家事は全部奥さんがやり、そのおかげで仕事に専念出来ているのですから、これまで得てきた財産は奥さんのものでもあるのは、法律的にも認められている事です。
不倫相手との交際において、これまで通りの、小遣いの範囲内での出費であれば、不倫相手とは体の関係だけと割り切る事も出来るでしょう。
しかし、この案件の場合は、不倫相手に対し、生活の援助金を出してあげるという話も出ているようで、そうなってくると話は変わってきます。
老後に必要な資産の問題が、国会で取り上げられている時代です。ある議員からは定年後は二千万の貯えが必要だと言うコメントが出て問題化されましたが、二千万では足りないという試算もあるようです。
旦那さんは自営業なので、定年はありませんが、力仕事なので、引退する年齢に近付いているのは間違いないでしょう。
有り余る資産を持っているなら別ですが、そうでなければ、赤の他人に資金を援助している場合ではありません。
戦後、多くの男性が戦死してしまい、男不足になった時代においては、財力のある男が本妻以外の女性と愛人関係になり、代わりに生活の保障をするというものがありました。当時は2号さんとか、お妾さんとかいう呼び方をされていたようで、世間的にも公認されていたような時代がありました。
しかしこれは、戦争という異常な状況下の後の話であり、現代には通用しないと思われますし、この時期においても、家庭も愛人も両方普通に生活をさせられる財力のある男にしか出来ない事だったのは間違いありません。
この案件では、不倫宣言をして不倫を始めたという珍しいケースでしたので、上記のような昔話を思い出してしまいました・・・