手を出したら終わり
2021年04月14日
お嫁さんに浮気をされて、息子が嫁を殴ってしまい、傷害事件になった為に、浮気をした事がうやむやになってしまいそうなので、なんとかならないかという相談を受けた事があります。
これをやってしまう人が結構いますが、DV法が施行されてからは、家庭内の暴力でも刑事事件として扱われるようになりましたので、被害届を出されたら、そこでアウトになります。
浮気・不貞行為は、民法上の不法行為とはなりますが、刑法に触れる事ではないので、刑事罰は当然発生しません。
逆に、暴力沙汰は、暴行や傷害という刑事事件となりますので、有罪になれば前科者になってしまいます。
しかし、家族間では和解して被害届の取り下げになる場合が多く、今回の事例でも、元はお嫁さんの浮気が原因という事で、被害届は出さない代わりに、不貞行為については不問にするという和解案が出ているそうでした。
これに対して、息子さんの母親が納得いかないという事で、当社に相談に来られたのですが、探偵に相談されてもどうする事も出来ません。
浮気した事実は関係者全員に知れている事ですので、今更浮気調査をした所で無意味なものですし、子供の親権争いについても、母親が有利なのは変わらないですし、動機はどうであれ、家庭内暴力を振るうという事実を突き付けられたら、息子さんの不利な状況はどうやっても変わらないとしか言えません。
また、ここから先は弁護士の出番であり、探偵に相談してくるのは見当違いといえるでしょう。
もっと言えば、大事な息子の為の行動とはいえ、40前後の息子の事で、母親がいちいち出張ってくるというのも違和感を感じました。
同じ敷地内の本宅と離れという場所での生活なので、同居ではないにしても、お嫁さんは、毎日姑と顔を合わせる環境だったと思われます。
となれば、息子可愛さに、嫁と姑の争いがあったかもしれません。
これが浮気の原因と推測する事も出来ます。
この相談者である老婆は、あなたの子供も男だったら、嫁にいいようにされるぞなんて事を言う非常識な感性をもっている為、お嫁さんに対しても、そこそこイジっていたのではないかと感じました。
さらに、暴力を肯定し、最初に浮気をした方が悪いのに、少しくらい殴られるのは当然なのになんで・・・という意見を連発し、法律はおかしい、世の中は狂っているとわめきだす始末・・・
息子も息子なら親も親といったところでしょうか。
世の中の通理を伝えても理解できない人だと言う事がはっきりしたので、早々にお引き取りになってもらいました。
このように、手を出す、暴力、実力行使、どの言い方でも同じですが、一般社会は当然の如く、家庭内でも手を出した方が負けになります。
民法上の不法行為である不貞行為をされた被害者だったものが、暴力を振るえば、傷害事件の加害者に早変わりし、大逆転されて自分は急降下という事になります。
絶対にやめましょう。