老老不倫・・・
2021年02月27日
超高齢化社会と言われる国になってしまった日本ですが、老々介護や50-80問題など、老人福祉の問題が山積みで、この先どうなってしまうのか想像もつきません。
そんな高齢化社会ですが、探偵業界でも、この国は本当に高齢化社会なんだとしみじみ思う調査をする事があります。
これは懇意にしている探偵さんに聞いたある案件なのですが、中年の女性がある老人の男性を探してほしいという依頼があり、調査を進めていくと、対象の男性は民間の高級老人ホームに入所していたそうです。
女性と男性は、いわゆる愛人関係にあり、男性は女性の生活を保障していたそうです。
それが突然、自分の家に現れなくなり、連絡も途絶え、男性の自宅をこっそり見に行っても、居る気配が無く、また本妻やその家族に見つかるのも面倒なので、探偵に所在と安否の確認の為に依頼をしたというのが今回の案件の経緯のようです。
探偵は、なんとかして男性の老人ホームに潜入し、男性と接触を取ることに成功し、どうして黙って依頼人の女性の前から消えたのか聞き出そうとしたら、介護スタッフから「この方は認知症が始まっているので、それを踏まえてお話してくださいね」と注意されたそうです。
なんと、身体も弱っているようでしたが、認知症まで発症していたとは、これで全ての謎が解けました。
依頼人にそれを報告すると「今思えば、何か忘れっぽくなっていたし、あれは認知症の始まりだったのかも・・・」と納得されていました。
自分と愛人契約をし、一生面倒を見ると言っておきながら、身勝手に捨てられた訳ではなく、歳を取って、ボケの症状が出てきたので家族に施設に入れられてしまったというのが真相だと理解し、探偵事務所を後にしたそうです・・・
依頼人の中年女性のその後を考えると、とても心配になりますが、このような事態は、日本中にはもっともっとあるのかもしれませんね。
数十年前は、60歳を越えると、すごいお年寄りに見えたものですが、今の60歳などは、人にもよりますが、まだまだ中年に見えるような人も多く見かけます。
人生100年時代などと言われますので、60歳では折り返しを越えた程度という見方も出来るのかもしれません。
しかし、老化は間違いなく進んでおり、誰もが健康な状態で70歳、80歳を過ぎていくことは難しく、なんらかの持病を持っている人がほとんどであり、認知症もその一つだと思われます。
老人になっても年の離れた愛人の所へ通っていたのですから、体力も経済力もあったのでしょうが、病には勝てなかったというのがこのお話の結末です。
なんとも物悲しい話でした・・・