浮気ではなく家に帰りたくなかった
2021年02月3日
前回、調査の結果、浮気をしていなかったという結果が出る事も多々ありますという投稿をしましたが、今回も浮気の事実無しの一例の話です。
ある女性からの依頼で、サラリーマンの夫が、ほぼ毎日遅く帰ってくるので、浮気の有無を確認したいという案件がありました。
旦那さんの給料明細を見ても、残業時間はそれほど多くなく、定時で仕事が終っている日も相当数あるような勤務時間の給料明細なので、仕事の関係で帰宅が遅くなっている訳ではないという事実は掴んでいるという話でした。
となれば、会社以外のどこかに行っているのは間違いないと思われますので、調査をする事になりました。
浮気しているのであれば、そして毎日の事なのであれば、すぐに調査結果は出るだろうと調査に入ったのですが、旦那さんが行く場所は自宅近くの公園でした・・・
毎日毎日、会社から直接自宅近くの公園に行って、途中で立ち寄ったコンビニで買った飲食物を食べ、その後はベンチで本を読んだり、ボーっとしたりして時間つぶしをしているのでした。
連日の調査だと、調査費用もかさみますので、依頼者様の要望により、1日おきの調査でとりあえず3日間という調査日の設定で調査したのですが、毎回同じ行動です。
調査の経過を報告しますと、飛び飛びの調査ではなく、連続の調査に切り替えてと、調査続行の要望がでましたので、連日の調査を3日間行いました。
それでも行動は全く変わりません・・・
毎日のように職場から公園に真っ直ぐに向かい、そこで時間を潰して11時近くになってから帰宅するという行動パターンが続きました。
浮気相手の女のおの字も出てこない、この調査結果に、依頼者様である奥さんは、首をひねってしまいました。
これ以上の調査をしても、おそらくは同じ結果しか出ないと思われますと奥さんに伝え、調査終了という形になるのかと思いましたら、公園に居る旦那さんに接触して、なぜそのような行動をしているのか調査してほしいという調査内容を新たに依頼すると仰るので、追加の調査に入りました。
公園にはベンチがいくつもあるので、他が空いているのに、対象者のベンチに相席するのは不自然なので、サクラを使い、調査日だけ別のベンチに人が居る状況を作り、調査員もサラリーマン風の格好で、帰宅途中に公園に立ち寄ってという設定で調査に臨みました。
ビールとちょっとしたおつまみをコンビニで買って、公園に行き、他のベンチを見回して、人が座っていて空きが無いという芝居をして、対象者に、「隣いいですか?」と尋ね、承諾をもらい、隣に座る事に成功しました。
調査員が座る事により、立ち去られる事が考えらたので、間髪入れずにビールを開けて飲みながら話かけました。
すると、迷惑そうな気配はなく、話に付き合ってくれたのです。
こちらの話としては、設定上、昨日の夜に女房と喧嘩してしまったので、今日は中々帰りたくなくて、帰宅途中の公園で安く飲んで、女房が寝た後にでも帰ろうかとしてるしがないサラリーマンとして、身の上話をし始めた所、対象者からは意外な真相が聞け出せたのです。
対象者は、「実は私も・・・」と切り出し、彼も飲んでいた酎ハイのようなものをあおり、事の真相が明らかになったのです。
実は私も、同じようなものでして、あなたの今の状況が長引いていて、毎日ここに居る始末だというのです。
どれくらいですか?と聞くと、依頼者様が言っていた通り、2年近くになるとのこと
うちは些細な事で夫婦喧嘩になっちまったんですけど、そちらは?と聞くと、人格を否定されるような事を妻に言われて、それからどのように接して良いのか分からなくなったと答えてくれました。
さすがに何を言われたのかまで聞くのは野暮と思い、二人で別の世間話をしながら一杯やって調査終了としました。
この結果を最終報告として報告書と一緒に依頼者様にお伝えしたところ「そうだったのか!!」と納得されました。
何を言ったのかまで夫は言ってましたか?と聞くので、そこまでは立ち入らないようにしましたと言うと、それで良かったですと礼を言われました。
奥さんは悲しい顔をして、真面目な夫をそこまで追い詰めていたのかと言いながら、真相が分かって気が晴れました。夫に謝り、関係を修復出来るように頑張りますと言って帰っていきました。
このように、実は浮気ではなく、帰宅恐怖症のようなものだったという調査結果もあります。