勘違い便利屋
2024年07月30日
かれこれ二十年以上探偵をしておりますが、探偵志願の相談を受けた事は数回あります。
正直言って、常勤で雇うほどの仕事量は当社には無いのと、一人で出来る調査がほとんどだという現実があるので、探偵志望の相談はお断りしてきました。
手が足りない時は、懇意にしている同業者に応援を頼み、やりくりしてきたのが当社の方針です。
過去の一時期、依頼を断るほどの相談件数があった時は、調査員を入れようかと思った事もありますが、それが平準化する可能性は低いと判断し、実際そうだったので、方針は間違っていなかったと思っています。
また、尾行や張り込みを伴う行動調査等においては、失敗が許されない一発勝負の仕事である事から、素人を育てながら調査するのはリスクがあり、個人の探偵事務所では無理があるのも実情でした。
という事で、手に余る依頼は仲間の探偵に回し、同業に応援を頼めばやりくりできる場合は依頼を受け、その他は一人で調査するという形態をとってきました。
そんな中、必要としない調査員の志願者が現れる事がしばしばありました。
当社に調査員として雇って欲しいという話の場合は、正当性がありますので、丁重にお断りしてきましたが、そうではない図々しい話もありました。
それは、便利屋が探偵の技術を身に着けたいので、調査に同行させてほしいという話です・・・
探偵を営業するには、探偵業の届出をしなければなりませんが、特に問題の無い生活をしている者であれば、届出は受理されてしまいます。
ここに問題があるような気がします。
どこかの探偵社に勤務した経験年数のような縛りを設ければ良いのですが、それが無く、破産者や暴力団に所属又は過去五年間に暴力団に所属していた者、禁固以上の刑に処せられ、放免されてから五年以上経過していない者等が欠格事由となり、届出は受理されませんが、代表者が上記の者でなければ良いだけの事ですので、ザル法であり、誰でも受理されてしまうと言っていいでしょう。
という事で、便利屋が探偵業務も行いたいという事で、なんの技術も知識も無いのに探偵業の届出を出して、探偵と名乗っている所があるという現実があります。
そのような者は、実際に依頼を受けたとしても、何をどうしたら良いのか分からないという現実を考えた時、本物の探偵にご教授願いたいという事になるのでしょう。
であれば、探偵学校を経営している探偵社もあるので、そういった所で勉強してくれば良いと思いますが、図々しく、調査に同行して技術を教わりたいという事を言ってくる便利屋が居るので困ったものです。
便利屋は、家の片付けや庭の草刈り、その他雑用のような業務を一般人から依頼される仕事だと思いますが、中には探偵業のようなものを依頼してくるお客さんも居るのでしょう。
その場合、継続して探偵業務を行ってしまうと、届出無しだと業法違反になるので、届出を出したのだと思いますが、何のスキルも無く、必要なな機器類も揃ってない状態で探偵が出来るはずもなく、どうしようと考えたら、本物の探偵に仕事を教えてもらおうという事になったのでしょう。
まぁ探偵の中には、どうせ賃金は要らないと言っているのだし、小間使いにでも使えばいいかと調査に同行させてくれる所もあるかもしれません。
当社でも同町に開業した便利屋が探偵もするので調査に同行させてほしいというので、二度ほど同行させましたが、探偵のスキル以前に、行先は間違えるは、深夜の張り込みでは寝ているはで、話にならない奴だったので、二度と素人とは組まない事にしました。
なのでそれ以降、便利屋からの相談は拒絶するようになったのです。
探偵をしていた者が、便利屋も始めたというのであれば、 便利屋の仕事等は誰でも出来ますから、形にはなるでしょうが、その逆は無謀というものです。
便利屋の仕事が開いている時に、調査のお供をしたい等という勘違いも甚だしいものの考え方がまずは信じられませんね・・・