逃げた場所がタコ部屋かドヤ街の場合
2024年07月8日
借金やその他の事情で、失踪する人はこの世に相当数存在します。
そんな方の行方調査の相談が入る事がありますが、タイトルのようにタコ部屋やドヤ街に潜伏している場合、調査をする意味はほとんどありません。
全国に散らばるタコ部屋やドヤ街をしらみつぶしに調べれば、数撃てば当たるではないですが、見つかる可能性はゼロではありません。
しかしそんな調査が可能なのは親方日の丸の警察組織だけでしょう。
その警察ですら、しらみつぶしはしませんから、何十年も前の爆弾魔を逮捕する事が出来ずに、犯人が病魔に襲われ死期を悟って自首してきたことにより居所が判明したという事案がありました。
ドヤ街は本人確認などしませんから、誰でも泊まれる状態ですので、聞き込みで名前を伝えても本名で泊っている失踪者は居ませんから、見つけられません。
写真を見せたとしても、経過している年数や髪型、髭、その他の容姿の変わりようによって、よっぽどの特徴がある者でなければ、こいつだと判明する事はまれです。
特徴のある容姿だとしたら、本人も自覚しているでしょうから、それを隠す事をするので、特徴があるからといって見つかるわけでもありません。
ただ、極端に身長が高いとか低いという変えようのない身体的特徴の場合は別ですが・・・
ただ、ドヤ街の場合は日本中に多く存在しているわけではないので、数か所を全て洗い出すという方法が無いわけでもありません。
それに対して、タコ部屋の場合は、全国に点在しており、どれだけの数があるのかさえ分かりません。
主に建設関係の職場に存在し、末端の労働者として働いてもらえれば、身元を証明してくれなくても良いという底辺の業者がいるので、ここに逃げ込まれたら行方調査は容易ではありません。
建設関係は発注者から直接請け負う元請から下請け、孫請け、ひ孫請けとどんどんと下層に連なっていきます。
建設業法によれば、こういった業態は違法行為であるのですが、元請けが末端の作業員を抱えている事はほとんど無く、最低でも一次下請けに実作業をさせる形態であり、現実は二次下請けまで使うのが実情でしょう。
そうなってくると、誰もがやりたくないような泥まみれの汚い仕事をするような作業は、人を選んでいる状況では無く、やってくれるなら誰でも良いという形になります。
となると、身分を偽っている者でも犯罪者でもどうでも良くなってきて、最悪、密入国の外人ですら現場に居る場合があるくらいですから、日本人の失踪者がそこに居たとしてなんらおかしくはありません。
そんな場所に逃げ込んでしまった失踪者を探すのは日本中のタコ部屋を探す事になるので、費用対効果を考えれば、調査をする意味はありません。
なぜなら、そんな最底辺の場所に逃げ込むような者は、借りた金など既に無くなっているでしょうし、今後も返せるあてはないからです。
となれば、膨大な時間と手間をかけて対象者を見つけたとして、貸金は返ってこない、莫大な調査費がさらにかかるという事になり、さらなる損害が発生するだけになります。
こういった現実を依頼人様にお伝えせずに、やりましょうやりましょうと依頼を受けてしまう悪徳探偵が存在しますので、ご注意ください。