最新の車は探偵が使用する車両には向かない
2023年12月15日
まだ駆け出しの頃、大手探偵社の探偵と一緒に調査をした経験がありますが、その時の調査車両は多種多様な車種を使用されていた記憶があります。
ハッキリ言って、探偵としては使い辛い車種ばかりを使用していたのでビックリしました。
大型のセダンやツードアのクーペ等を使用していて、なんでこんな使い辛い車種を使用しているのか聞いてみたら、上の者が安い中古車を適当に買ってきているみたいだと言われました。
まぁどんな車を使用したとしても結果を出すのがプロの探偵ですから、車の種類を言い訳にするのはどうかとは思いますが、どうせなら調査しやすい車を使った方が便利というものです。
ちなみに個人で探偵をしている人の応援に行った事も過去にありますが、こういった人は使い易い車両を使用していました。
では、どういった車がダメで、どういった車が良いのかと言いますと、探偵によって考えは違うとは思いますが、当社としての考えは、最高の調査車両は軽自動車のワンポックスバンです。
これに気付いたのは、長期の調査によって使用できる車両が軽のバンしか残っておらず、また調査する場所が狭い住宅地だった為に試しに使用してみた事によります。
まず小回りが利くのはもちろん、目立たないという利点があります。
この軽バンは、商用車としてそこら中を走っており、この車を見かけない日は無いほどなので、そこに紛れる事が可能なのです。
そして、軽にしては車内が広い事があります。
車内が広いというか、トランクルームが広く、後部座席を倒したらかなりの積載量とする事が可能です。
よって、調査器材を多く積む事が可能で、さらには車中泊も出来るという利点があります。
そして、パワーウィンドウが標準のご時世ですが、手回しで窓の開け閉めが出来、エンジンを切ったまま無音で窓の開閉が出来るので、とても良い環境で張り込みや撮影が出来ます。
さらには、安い商用車という事で、車内の所々が鉄板むき出しの部分があり、この鉄板部に強力な磁石等を使用し、色々なものを設置する事が可能です。
黒い布を取り付ければ、目隠しになり、車内に探偵が潜んでいる事を隠す事も可能ですし、この簡易カーテンの隙間からカメラで撮影する事も可能です。
という事で、今では、標準装備となっている便利な機能が、探偵にとっては邪魔なものばかりという事が分かります。
車内外を照らすライト等は、夜に便利な機能ですが、探偵には逆に不必要な機能です。
シートの電動リクライニングも倒れるまで時間が掛かるので、手動式で一瞬で倒れる方が便利です。
これらが詰まった車が軽のワンボックスバンなのです。
ただ、高速道路での走行には向かないので、対象者が飛ばすような人だった場合、置いてかれてしまうという難点がありますが、探偵は車を一台だけ確保している事はないので、その他の車両は軽ではないものを用意しているのが普通なので使い分ければ良いだけです。
その車両の選定をする場合、最新の機能が付いた高級車等ではなく、大衆車的なワゴン車やSUV、中型以下のミニバン等を選び、探偵仕様に改造している事が多いと思われます。
ドアを開けた時に点灯するライト類は点かないようにしておき、ドアのロックや解除の時に出る音やハザードの点灯も切っておくのがプロの使う車です。
最新の車にはこれらの便利機能が満載なので、探偵の車両には向かないという事がわかります。