探偵VS探偵はフィクションではなく本当にある
2023年02月26日
「探偵の探偵」という小説がありますが、これは細部に渡ってはリアルな描写がありますが、まず探偵を探偵するという部署がある探偵社は完全なるフィクションであります。
作ろうとすれば作れなくもありませんし、大手探偵社であればやりようによっては可能かとも思えます。
しかし、よほどの利益を得ている探偵社でもなければ、そんなボランティアみたいな部署を作る事は不可能であり、現実にはありえない事でしょう。
そんな現実にはそぐわないストーリーだからこそ物語として成立しているともいえますし、完全なリアルな描写だけでは小説は成り立たないという証明だといえます。
ただ、探偵社の一部署に「対探偵課」というものは現実には存在しないし、作る探偵社も出てこないという現実ではありますが、調査の過程で探偵対探偵という対決構造が出てくる事はまれにあります。
当社でもかなり以前の話になりますが、依頼人様が探偵に調査されているようなので、それを確かめて欲しという依頼が入りました。
実はこういった調査は実に簡単なのです。
相手がプロの探偵であればなおさら簡単で、探偵の基本的なスキルがあれば、相手の動きは簡単に見抜けるからです。
例えば、張り込み場所の選定などにおいては、対象者からは見え辛い場所で、調査員からは見えやすい場所、又は対象者からは絶対に見えないような場所であっても調査員からはなんとか見える場所を張り込み場所とするのが基本です。
そして、対象者が移動する場合に、その張り込み場所からすぐに移動できるような態勢をとれるような場所でなければなりません。
また、可能であれば、張り込んでいる状態において、調査員が不審者扱いされないような場所というのもあります。
他にも細かい選定はありますが、これらを選んでいけば、対象者を調査している探偵が存在するなら、張り込んでいる場所を特定する事は容易い事です。
前述した、調査依頼においては、上記のテクニックですぐに探偵が調べている事をすぐに特定出来ましたので、依頼人様の車を調べるとGPSが設置されている事が判明しました。
このGPSを自宅の車庫内で取り外し、当方が指定した場所に置いておいてもらい、依頼人様には出掛けてもらう事にしました。
GPSが付いている事により、思った通り、相手探偵は通常尾行をせずにゆっくりと尾行し始めました。
つまり依頼人様を目視せずにGPSを頼りに尾行する形です。
こちらとしては、依頼人様が外したGPSを調査車両に持ち込み、依頼人様のフリをして探偵に尾行させました。
そしてある海水浴場にある便所にGPSを置き、相手探偵が来るのを待っていましたら、ノコノコと海水浴場の便所付近に来ました。
相手探偵の特定を済ませて、調査終了、まぁこちらの勝ちといえる調査でした。
この調査をしてからは、調査をしている自分が調査をされている可能性がある事をふまえるようになりました。