依頼人に絶対にやらせてはいけない行為
2023年01月28日
探偵のほとんどの業務は浮気調査です。
浮気をするような奴らは、嘘つきや自己中心的な考えをするような者です。
そういった奴に、正論で対峙してもなんの生産性もありません。
話が噛み合わないだけの論争になるので、最初からしない方がましです。
しかし、当事者としてはそうもいかないのが現状です。
探偵に相談に来られる方達も、こういった事を冷静に考えられなくなっている場合が多くありまして、調査をする前にくぎを刺しておく必要があるケースが多々あります。
一番困るのが、暴力に訴える事を厭わない依頼人様の場合です。
自分は、不倫された側の者であり、被害者であるという意識から、相手は加害者なので何をしても良いと思ってしまう感情になる人がおります。
不倫・不貞行為は民事なので、法的に刑罰に処す事は出来ません。
何を持って処罰するかといえば、損害賠償や慰謝料という金銭での解決になります。
刑法に触れる行為をされたとしても、自分自身で相手を処罰する私刑は禁じられていますので、民法においてもそれは同じことです。
なので、民法においても、絶対に実力行使を加害者に行ってはいけません。
過去の当社での事例では、妻に浮気をされた夫が妻に暴力を振るってしまい、傷害の刑事被告となってしまい、本来であれば民事の被害者であったはずなのに、刑事事件の加害者になってしまい、民事の事案が消えてしまうという事になってしまった案件があります。
簡単に説明すると、本来では、不貞行為を妻にされた被害者であり、その証拠を捉えて、民事裁判に持ち込めば、慰謝料という形で決着がついたはずなのですが、それでは我慢が出来ないので、妻に暴力を振るってしまったというのが実情です。
近代国家においての法的な解釈としては「自力救済」は認められていません。
自力救済とは、自己の権利を侵害された者が法の手続きを使わずに実力行使で解決するという行為です。
映画や小説、漫画やドラマなどにおいては、復讐劇として使われるものですが、現実の社会においては許されるものではありません。
しかし、気持ちは分かります。
誰もが同じ気持ちではないのでしょうか。
裁判官ですら同じ気持ちになるのを抑えて、法的解釈に則って判決を行っているのが実情と思われます。
なので、やってしまえば、自分に不利益になってしまう行為を依頼人様にさせるわけにはいきませんので、もしも自力救済をしそうになっている方が相談に来られた場合は、それを止めるように説得する事に当社では致しております。