調査対象者の気持ち
2022年08月17日
探偵は、依頼人様側の人間ですので、基本的には依頼人様の気持ちに寄り添う形になります。
ただそれは、依頼人様が不遇な目に遭っているとか理不尽な事をされているという場合になります。
探偵への依頼の多くが浮気調査なので、依頼人様は浮気をされて相談に来られた方という事になりますが、ほとんどの場合、配偶者に裏切られた不倫によるものです。
しかし、ごく一部ですが、対象者の気持ちになって考えてしまう案件もあります。
過去のある案件では、冷え切っている夫婦関係であるにも関わらず、絶対に離婚はしないという依頼人様からの浮気調査がありましたが、配偶者に対して色々な不満があるのは分かりますが、二人の子供に対しても八つ当たりをしているようで、こちらとしては何も言えず、頷いているしかありませんでした・・・
子供への八つ当たりというのは、憎んでいる配偶者にあまりにも子供が似ていて、夫への不満がそのまま子供へもいってしまうというものでした。
片付けが出来ない、つまらない嘘をつく事がある、約束をやぶる等、夫のDNAが強く出ているので、子供まで憎く感じてしまうというのです。
細かい事であっても、嫌な部分が目についてくる時期が来るのが夫婦であり家族であり、そういったダメな部分も含めて協力して生きていく最小単位の集団が家族だと思います。
しかし、悪い面しか見てくれず、自分だけならともかく、子供にまで当たりちらされたのでは、安らぎの場であるはずの家庭ではなくなり、どこかへ行きたくなるのも無理はないのかなと、本来は対峙する相手である調査対象者に同情してしまいました。
この案件については、対象者は浮気をしておらず、単に家に帰りたくないという事で、一人で暇つぶしをしていたというのが調査結果でした。
なおさら同情してしまいますね・・・
調査報告の時には、憎しみの矛先が探偵側にも及んできて、ちゃんと調査をしたのか? 調査した日が悪かったのではないのか?とクレームを付けられました。
調査日は依頼人様の指定日でしたし、対象者の行動は全て日時入りの動画で撮影しており、浮気のうの字もない結果であり、さらに1週間連続での調査ですので、調査日が悪いというなら、自分が指定した週が悪いという事であり、責めるなら自分を責めるのが筋というものです・・・
納得のいかない依頼人様は、調査した期間が悪かった可能性を言い出し、次はピンポイントで怪しい日に調査をしたいと言ってきたので、それは他所の探偵社にご依頼くださいと丁重にお断りしました。
このように、あまりにも酷い仕打ちを受けている対象者だった場合、対象者側の気持ちになってしまう事もあります。