浮気調査と認知症
2022年07月28日
超が付く高齢化社会である日本におきましては、浮気調査にも高齢化の影響が出てきている状況になっています。
70歳を越えた老人の愛人をしていた女性が、ある時期から男性と全く連絡が取れなくなったので調査をしてほしいという案件が知り合いの探偵事務所に入りました。
後学のために、事の顛末を聞かせて頂いたのですが、別の愛人に乗り換えたとかで拒絶されたのではなく、男性が住んでいる住居から居なくなっていて、所在調査から始める事に調査計画が変更になり、調べてみると高齢者が入る施設に入れられていたというのです。
その施設は、認知症になってしまった老人が入る施設であって、もはや家族すら認知出来ない状態に対象者はなっていたそうで、それを伝えたら依頼人の女性は納得したそうですが、生活の保証を約束されていたので、これからの生活をどうしたらいいかと悩んでいたそうです。
もし対象者の男性が亡くなったとしても、遺言で自分に遺産が入るようにしておいてくれてもなければ、遺産が入る事はなく、認知症になってしまっては、対象者に接触しても公的な文書を書かせる事は不可能であり、もはや対象者の男性に頼る事は不可能といえるでしょう。
以前、映画やドラマで後妻業というタイトルの物語を見たことがありますが、まだ相手が元気なうちに公正証書で自分を相続の全対象とするように書かせてから殺害するという筋書きだったと記憶していますが、改めてなるほどと思いました。
上記の他社の案件の場合、対象者と婚姻関係にはないので、なおさら遺産については生前贈与か遺言が必要だったのではないかと思います。
愛人関係を持つ事を肯定するわけではありませんが、そういった生き方しか出来ない人においては、高齢化社会で生きているという事を認識していないと、将来的に悲惨な状況に陥る可能性があります。
とても虚しい感情になった話でした。
また、だいぶ前ですが、当社では認知症になっている女性からの依頼を受けてしまった事があります。
話す内容に整合性があるので、特に気にせずに依頼を受けてしまったのですが、古い話を延々とする兆候があり、直近の出来事を憶えていなかったり、言ったことを忘れてしまう所が少し見受けられました。
しかし会話は普通に出来ますし、契約書もきちんと読んでいましたので、特に気にしませんでした・・・
旦那さんは70歳を越えており、浮気が出来るような年齢とも思えなかったのですが、個人差もあるので、とりあえず調査をしてみないとなんとも言えないので、調査をしてみましたが、全く浮気などはしておらず、浮気の事実無しという報告をしたのですが、そんなはずはないとクレームを付けてこられました。
以前、精神疾患のある者を確かめるには、飲んでいる薬の数を聞き、6種類以上の薬を飲んでいる場合は怪しいという事を弁護士から教えて頂いた事があります。
この依頼人に聞いてみると、正に6種類以上の薬を飲んでおり、自分から薬の名前を言ってきたので、調べてみたら認知症を遅らすような作用をする薬が含まれており、初期の認知症と確定しました。
という事で追加の調査はしない方向で調査は打ち切りにさせて頂きました。
このように、調査対象者も依頼人も認知症を患っているという現実があります。
本当に超高齢化社会なんだなぁとつくづく思わされます・・・