探偵もののヤラセ番組
2022年04月29日
現実の探偵が出てきたり、実際の探偵からの取材によって得た情報により、探偵の仕事について再現したVTRを放送する番組があります。
盗聴器の現実やその発見方法の実務等が代表的なものですが、浮気問題の調査法なども度々放送されています。
先日も浮気調査についての番組があったので見てみましたが、かなり誇張した部分や現実味の無い所が見受けられ、本物の探偵が見ていたら笑いながら見ていたのではないかと思います。
肉体労働をしなければやっていけない家庭の主婦が、大手探偵社へ何日もかかる調査を即決で契約出来るのかという現実がまず現れます。
通常の大企業は中小零細よりも値段を抑えられる部分があって、薄利多売のような販売法をしても利益を上げていますが、探偵業界は全くの逆であり、大手探偵社は小規模の探偵社の数倍の料金になっているのが現実です。
その原因は、大規模な広告宣伝費を使っている事によります。
宣伝費を膨大に使えば、それだけ集客率は上がります。しかし、広告代というのは安いものではありません。
宣伝費を回収してさらに調査経費の他に利益を上げなければなりません。
そうなると小規模な探偵社と同じ程度の調査料金の設定ではとてもやっていけません。
これが、大手探偵社の調査料金が高い理由です。
再現VTRでは、浮気の証拠が出た後に、さらに浮気相手の素性や、本来持っているはずのない浮気に使用するお金についても追加の調査を依頼しているようでしたが、こんな所まで調査をしたら軽く数百万円の料金を請求されてしまいます。
この案件では、浮気相手に大金を貢いでいる夫が何故そんな金があるのかという事を最後に究明し、株取引で莫大な利益を上げていたというオチがあり、慰謝料や財産分与で大金が依頼人に入るので調査料金は軽く払えるという言い訳が出来るかもしれませんが、最終的に大金を持っていたという事が判明したのに、なぜそれを知らない時期に、探偵社に大金を払えると依頼人が判断できたのか?という疑問が出てきます。
探偵の中には、追加の調査料金を伝えずにどんどん調査を進めて、後から莫大な追加料金を請求するという悪質な営業をしている所もあるので、偶然にもそれがプラスに働いたという事も無きにしも非ずなので、100%あり得ないとは言えませんが、あまりにもご都合主義な話だったので、おそらくは全て現実の話ではないと思われます。