夜間撮影の遍歴
2022年04月15日
行動調査(浮気調査)において、夜間の撮影は探偵にとっての重要な技術的な分野であり、時代と共に変化してきました。
大昔、と言っても30年以上前くらいになりますか、ビデオカメラも大型で、カメラはフイルム式のものだった頃は、夜間は照明を入れたり、ストロボ撮影でなければ、画像を取得出来ませんでした。
なので、対象者に向けて車のライトを当てて撮影したり、通りすがりや待ち伏せしてストロボを焚いて不倫カップルを撮影するという危険な行為をしていました。
芸能人を専門にしている写真週刊誌なども、この手法で撮影していたようですが、間違いなく対象者に撮影した事がバレます。
なので、探偵の場合、それ以降の調査が不可能になりますので、最終手段として考えるようにはしていましたが、結局はやるしかなくなってしまうケースが多かったように思います。
何故かと言うと、不倫がバレた事を知った対象者が警戒してしまったり、不倫を止めてしまうからです。
もはや修復不能な夫婦だった場合、撮影された後も不倫を続ける事もありますが、その後の裁判とかの事も考えて、自粛する場合が多いものです。
となると、複数回の不倫の証拠が欲しい依頼者側としては、仕方がないとはいえ、ストロボ撮影のような最終手段はあまり取ってほしくないはずでした。
それが段々と、ビデオカメラが小型化されたり、ソニーがナイトショットという赤外線装置を使用した夜間撮影に強い機種を発売した事により、飛躍的に暗所の撮影力が高まりました。
全くの暗闇だと、赤外線が届く所まで近寄らなければならないのは現在でも同じですが、ある程度の光量があれば、今までは撮れなかった映像が取れるようになり、証拠の取得能力が段違いに高まりました。
これが20位前の時期でしょうか・・・
ただ、前述したように、真っ暗闇やそれに近い光量しかないと、証拠としての映像が撮れないので、その場合は色々工夫して光源を持ち込んだりするのですが、現場によっては無理な場合があり、そういう時は最後の手段で、調査がバレても仕方がないという撮影になる時代は続きました。
それが、軍用の暗視スコープの機能を使った暗視カメラが出現した事により、夜間撮影の問題がほぼ消えました。
それこそ真っ暗闇の中でも人物が特定出来る映像が取得出来るようになり、さらに遠距離からでも撮影が出来るので、対象者に調査がバレる心配も無くなり、何度も証拠を取れるようになりました。
もはや暗視カメラをなくして、探偵の仕事は成り立たないと言っても過言ではありません。
苦労してきた夜間の撮影も今では何の問題も無くなりました。