刑事と民事
2022年02月11日
探偵が扱う案件はほとんどが民事に絡むものです。
その代表的なものが不倫による離婚問題であり、探偵の業務の中の大多数を占めます。
民事案件の解決法は、賠償金や慰謝料と呼ばれる金銭での解決がほとんどだと考えて良いでしょう。
刑事事件の場合は、刑法による罰則に加えて、慰謝料や賠償金を被害者側が加害者に請求する民事の案件がプラスされます。
ある相談者の息子さんが、お嫁さんに不倫され、激怒した息子さんはお嫁さんを殴ってしまい、ケガをさせてしまったようです。
警察を呼ばれ、逮捕にまではいかなかったようですが、被害届を出されてしまったとのこと。
相談者は息子さんの母親でしたが、法律を良く知らないようで、不倫した嫁が悪いのに何で息子が訴えられないといけないんだと興奮して話されていましたが、現実問題として通用しない理屈なので、一般論として、どうしようもないと言わざるを得ませんでした・・・
問題は、暴力を振るわなければ、息子さんは配偶者から不貞行為をされた民事上の被害者であり、訴える側だったものが、暴力を振るったばっかりに、刑事事件の加害者に早変わりしてしまい、立場が逆転してしまったということです。
相談者は、現在別居しているお嫁さんの居場所と、不貞行為の証拠を取ってほしいという要望をされてきましたが、DV被害者という立場になって、避難場所へ逃げているお嫁さんを探す事は出来ませんし、別居して新たな異性と交際している所を捉えたとして、それは不貞行為の証拠となるかはかなり低いという事を伝えました。
ここでさらに相談者は激高して、そんなおかしな話があるか! 世の中狂ってると探偵に向かって怒鳴りだしました。
はっきり言って、重症の世間知らずの親子のトラブル話に付き合っていられなくなりましたので、こういった案件で、相談者の望む結果を得られる探偵が居るんだったら、どうぞそちらに行かれたらどうですか?と丁重にお引き取りして頂きました。
知り合いの弁護士さんと以前話した事がありますが、法律を知らないから弁護士事務所に相談に来るのに、法律の専門家の意見を聞かずに、法を超越した解決をしろと言ってくる人が居るので困る事があると言っていました。
さらに、逆恨みをされて、危険な目に遭う事もあるそうです。
一つでも多く仕事を取りたいと思っている探偵は、結果を伴わない仕事でも受けてしまい、後々トラブルになっているようですが、当社ではそのような素振りがある方の場合は、面談時、さらには電話相談の時点でお断りするようにしています。