盗聴器発見を積極的にやらない理由
2022年01月11日
親しくしている同業者の方も言っていましたが「盗聴器発見業務」は積極的に受件しない方針の探偵業者が増えています。
何故かと言うと、トラブルが多く、お金の問題ではなくなってしまうからです。
企業からの依頼や、電話相談の時点で話に整合性があり、調査してみる価値がある場合は別ですが、それ以外は専門業者にお任せして、手を出さないようにしています。
企業の場合、オフィスへの出入りが多い所は、なんら異変が無かったとしても、盗聴器や盗撮器の有無を確かめておくのは企業防衛の一環ですので、依頼の動機として成立します。
また、個人の場合、引っ越し等で、新たな場所に住む場合、以前住まわれていた人に盗聴器等が仕掛けられている場合があるので、用心の為に調べておきたいというものがあり、このような場合は依頼を受ける事にしています。
トラブルになりがちなのは、既に住んでいる場所や車の中に盗聴器が仕掛けられているかもしれないというものです。
どういった現象がみられてそう思うのかと問いますと、普通ではあり得ないような現象を言ってくる場合があります。
一番ゾッとしたのは、盗聴器を見つけてほしいというのに、屋根裏に人が潜んでいて監視されていると言ってこられた時です。
それはもう盗聴器の問題ではなく、侵入者が家の中に居るという問題ですので、盗聴器発見は意味をなさないはずですが、盗聴器を見つけてほしいと言うのでした・・・
電話で話を聞いているだけで、妄想や幻覚の類だと分かる内容ですので、丁重にお断りしました。
当社でこのような対応をするようになったのは、やはりトラブルになったからです。
どこをどう探しても見つからない盗聴器に対して、絶対にあるはずだから見つけてくれ、恐らくこの壁の中にある、いや風呂桶の中に仕掛けられているとか言い出され、現実的にそういう場所に仕掛けるのは無理だと説明しても納得されず、堂々巡りの末に、料金は要らないと言って帰ってきた事例が過去にありました。
このように無駄骨を折らされる事があるので、他社の調査員に聞いてみると、同じ体験があると口をそろえて皆が言います。
料金を支払ってもらった後で、詐欺だ訴えてやると言われた探偵も居ます。
長年探偵をやっていると、電話相談の時点で精神を病んでいる人かどうか、ある程度判別する事が出来るようになります。
特に盗聴器や盗撮器の発見の依頼においては精神疾患を抱えている方が多いので、注意が必要となります。
なので、事前のヒアリングを入念に行い、少しでも違和感があった場合、引き受けない事としています。