法の範囲内は変わらない
2021年12月14日
探偵業法という探偵業界に特化した法律があります。
施行されてだいぶ経ちますが、施行される前は無法地帯の様相を呈していた業界が探偵業界でした。
今で言う「反社会的勢力」の人間が探偵社を経営していたり、そういった組織の人間でなくとも、いわゆる「悪徳探偵」と呼ばれる探偵が多く存在していた時代があります。
それが「探偵業法」が施行された事により、届け出をせずに継続して探偵業と呼ばれる内容の業務を行ってはいけないという条文が入り、また、届け出の際には、代表者になる者の経歴に制約が入る事により、細かい内容は割愛しますが、誰でも探偵社の代表者になれる事は出来なくなりました。
また、同じ経営者が複数の屋号や社名を名乗り、電話帳広告に宣伝を出して、どの探偵の広告に電話しても出る探偵は同じという悪質な仕組みの広告を出していた時期が長くありましたが、今ではそれも不可能になりました。
ただ、現在ではインターネットのサイトによる宣伝が主流なので、複数のサイトを運営している所もありますが、これについては制約が無いので仕方がありませんが、複数のサイトを運営しているから優良探偵ではないのでご注意ください。
単に宣伝媒体を倍にしているだけですから・・・
この他に「守秘義務」が義務化されたり、業法により色々な制約が入りました。
この事により、真面目に営業している探偵社が悪徳探偵と同じ扱いを受ける事が少なくなり、健全化されたのはとても良い事だと思います。
だた、この業法により、探偵に特権が与えられた事は一つも無いと言っても過言ではありません。
探偵といえども、一般的な法律を遵守して業務を行わなければならず、探偵だからこれ位やってくれるだろうと、違法行為を依頼しようとしても、それは叶わない要望となります。
悪徳探偵が違法行為も平気で行いますとサイトで宣伝していた時代の記憶が残っているのかもしれませんが、業法が出来た事により違法探偵は、ほぼ一掃されましたのでそのような依頼はする事は出来ません。
個別の事例は割愛しますが、とにかく一般的な法律に加えて探偵業法を守って調査はしなければならないという事になっています。
ただ一つ、許されるとすれば、探偵の代表的な業務の尾行や張り込みによる調査は、業として行う行為ですので、いわゆる「つきまとい」や「ストーカー」には当たりません。
一般人がこれをすると違法行為になる可能性がありますが、探偵の場合は仕事で行っていますので、違法にはなりません。
しかし、付き纏われていると思われたり、ストーカーかもしれないと思われるという事は、対象者に尾行や張り込みがバレているという事なので、この時点で探偵としては失格と言えるので、問題外といえるでしょう・・・