探偵は何歳まで可能か
2021年11月2日
探偵を何歳までやれるかという話題を探偵仲間としたことがあります。
1人の探偵は「ふざけた事を言うな、年齢は関係なくやれる」と粋がっていましたが、現実はそんなもんじゃありません。
探偵の仕事には色々ジャンルがありますから、肉体勝負ではない仕事であれば、それこそ死ぬまでやれるかもしれません。
しかし、現場の調査員の業務となるとどうでしょう。
せいぜい、40代が限界のような気がします。
50歳になろうが、60歳になろうが、探偵は続けられるという意見を怒りにも似た態度で言われた時は、この人は探偵のくせに現実主義ではないんだなぁと思いました。
探偵は行動調査が主な業務となります。
その中でも浮気調査がほとんどですが、尾行や張り込みがメインの業態です。
尾行には車両での尾行と徒歩での尾行があります。
車両尾行では車の力に頼れるので問題ありませんが、徒歩での尾行はある程度の体力がなければ完遂出来ません。
年配になり、走りが衰えてきたのでは、尾行に失敗、つまり失尾してしまいます。
歩いている対象者の後ろを歩いていけばいいだけだろと思われるかもしれませんが、気付かれないように尾行するには、ある程度の距離をとらなければならず、対象者が道の角を曲がった瞬間に調査員は全力疾走で角まで行って対象者の行方を確認し、また距離を置いて尾行するの繰り返しになります。
年老いた探偵にとって、これは相当キツイはずです。
また、探偵は筋力も必要ですし、余分な肉を付けないようにして、身軽な体格を維持しておかなければなりません。
なぜかと言うと、調査現場によっては、木登りをしたり、建物によじ登ったりする事があるからです。
一つの例で言いますと、対象者と水平の状態では、対象の車両の内部を撮影できないような場合にこういった高所に移動する必要が出てきます。
中年太りの体型では、よほどの筋力が無ければ、木登りや壁登りは出来ませんし、瘦せた体型だとしても、そこそこの筋力が無ければ無理な作業となります。
これらの体力勝負になってくる業務において、加齢に伴う体力の低下が業務を不可能にする事も考えられます。
なので、若いからといっても、ある程度の体力の維持は探偵にとっては大事なので、若くてもトレーニングをするのは推奨されるべきです。
このように現実的に考えた場合、調査の質が加齢に伴って落ちてくるのは間違いない事であり、調査員として現場に出るのは何歳まで可能か?と考えてみるのは間違ってはいません。