田舎の常識？
2021年08月22日
近隣トラブルを扱う地方の探偵は、各地域でのルールというか、しきたりというか、人口の少ない市町村での常識？というものに遭遇する事があります。
近隣トラブルは、町内会のような小さな集まりの中で起きます。
元々土着して住んでいた者同士の場合もあれば、少し前に引っ越してきた人と土着民とのトラブルもあります。
新興住宅地での場合は、互いに新たに住みだした者同士でのトラブルになり、こればっかりは避けようがありません・・・
以前、知人が新興住宅地に家を買うというので、既に住んでいる住民の調査をサービスでやってあげた事がありますが、住んでから1～２年程度の期間しかないと、よほどの変人でもなければ、問題のある人がいるかどうかはよくわかりませんが、そのよほどの変人が居るか居ないかだけでも調べておく価値はあると思います。
なので、新たに引っ越しをする場合、その町の様子だけでなく、住居付近の人間関係も考慮したほうが無難です。
そして、探偵が依頼されるのは、既にトラブルに発展してしまっている場合に、攻撃を受けている側の方からの、被害状況の証拠取りの業務です。
近隣トラブルの場合、本当はどちらが悪いのか分からない場合があります。
依頼人の方が、おかしな事をしていてトラブルに発展したというのが真相という事もありますが、探偵も弁護士と一緒で、依頼人の要望に応えるのが第一義ですので、その辺りは割り切って仕事をするしかありませんし、元は依頼人が悪いとしても、継続して加害行為をしてくるという事は行為によっては犯罪行為ですので、事のきっかけは問題ではありません。
証拠をつかむのは簡単ですが、このトラブルの背景も知っておくと、証拠をつかんだ後の対処の仕方に有効なので、聞けるのであれば、周辺住民からの聞き込み等もついでにしてみる事があります。
すると、地方のさらに小さな市町村、そしてさらに小さく絞った町内会のような小さなコミュニティでは、都会や大都市では考えられないようなルールというかしきたりがあり、それに従わないと不利益を被るというペナルティが与えられます。
簡単に言えば「村八分」のようなものですね。
町内会に入らなければ、ゴミを出させないとか、町内にある消防団に入らなければ〇〇をさせない、町内にあるお宮に寄付しなければ、〇〇だとか、別の地域から引っ越してきた人には理不尽としか言えないような事を言われる事があるようです。
町内会に入れば、冠婚葬祭の付き合い、特に葬式の手伝い等があり、二日くらい仕事を休まなければならない場合が多いようです。今時、葬式の手伝いで休みますと言って休ませてくれる会社はそうそうなく、町内会に入るのを尻込みする気持ちはよく分かります。
なので、そういった話を聞いたときに、新たに住みだした人に強制は出来ないのでは？と問うた時がありますが、田舎の常識だからしょうがない、嫌なら他に住めばいいなどと全く聞く耳は無いようです。
「田舎の常識」という、小さな小さなコミュニティの中でのしきたりみたいなものは、今でも存在しているようです。
なので、新たに田舎に引っ越す場合は、よくよくその地域性を調べてから場所を決めるべきです。そして上記のような場所だと分かったら、職場から遠くなったとしても、少しでも人口の多い市に住んで、煩わしい近所付き合いのない生活を選んだ方が良いでしょう・・・
