不思議な依頼
2021年08月11日
長年探偵をしていると、不思議な事に遭遇する機会があります。
極端な例では、超常現象の類などがありますが、多くは変わった人間模様を見せられる事です。
通常は、依頼人は調査対象者に分からないように調査依頼をしてこられます。
当たり前の事ですね。調査対象者に調査しますよと言って調査する人は普通はいませんから・・・
ただ、自分調査とでも言いますか、自分自身を調査してほしいという依頼は、昔からあります。
自分がどのように他人から評価されているのか、どう思われているのかという疑問を解消したいという動機からの依頼です。
これは古典的な依頼で、探偵業界においては珍しい事ではありません。
これから書く過去の事例は、探偵でもあまり受けた事の無い依頼だと思われますので、レアケースと思われます。
もうだいぶ前の案件ですので、大丈夫と思われますが、もちろん特定不能な内容で書き込みます。
ある女性からメールで相談がありました。
「過去の行動調査は可能ですか?」と・・・
内容にもよりますが、基本的に過去に遡る事は不可能なので、過去の行動調査は無理ですと答えました。
すると、対象者の過去を知っている人から聞き出すことは出来るか?と言うので、聞き込みして答えて頂いた内容を報告する事は出来ますが、それが真実かどうかは判別できませんと答えました。
また、真実に近い聞き込みをするとなると、探偵ですと名乗って直調するより、身分を偽って聞き込み対象の者に近付き、自然な状況で話を聞く方が良いのですが、そうなると色々な工作が必要となり、調査料金も想像をはるかに超える金額になってしまいますと伝えました。
費用対効果を考慮すると、そこまでする必要がある案件なのですか?と聞くと、そんなにはお金を掛けられないので、身分は隠さずに探偵として聞き込みしてほしいという事になりました。
調査契約が必要なのと、さらに詳しい依頼内容を伝えてもらう為に、事務所に来ていただいた所、男女二名で来社されました。
ん、この男性はいったい誰?と思い、どういったご関係ですか?と聞くと、夫婦ですというのです。
メールでは旦那さんの調査がしたいという事だったので、???となってしまいましたが、依頼人である奥さんが、あまりにも過去の事をほじくり返してくるので、この際だから探偵に調べてもらおうという事になったとの事・・・
長年、探偵をしてきましたが、契約時に目の前に依頼人と調査対象者が並んで座っているという構図は初めてでした。
次回に続きます。